「脱法的との評価は認識」長崎県選管 大石知事の政治資金報告巡り

 大石賢吾知事の後援会が2022年の政治資金収支報告書で県議の後援会から286万円を借り受けた記載をしている問題で、長崎県選管は2日、一般論として企業・団体が特定の政治家向けに寄付した金であれば「迂回(うかい)献金で脱法的な行為に当たるという評価があることは認識している」とした。
 定例県議会総務委員会で小林克敏委員(県民会議)の質問に楠本雅一書記長が答えた。
 報告書によると、同年2月の知事選で大石氏の選対本部長を務めた自民県議が代表を務める政党支部は、知事選までに医療法人など9団体から計286万円の寄付を受け、県議自らの後援会に寄付。大石氏の後援会は同額を借り、同12月に利息分を含め返済した。
 楠本氏は総務委で「個別の事案について調査権、捜査権はないので合法違法を含め判断する立場にない」と説明。大石氏側から現時点で報告書の訂正について相談はなく「相談があった場合は総務省などと対応を検討したい」とした。
 大石氏は先月、違法性はないが誤解を与えかねないとして、286万円の送金を「寄付」に訂正する考えを示したが、同月中にこれを保留。訂正の根拠とした自主的な外部監査を巡って不明な点が出てきたとして「訂正の要否も含め精査が必要」としている。

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