半谷「力出し切りたい」 パラ柔道女子、大舞台4度目の意気込み

「自分の力を出し切りたい。全力を出せれば優勝できる」とパリへの思いを語った半谷=東京都内

 パリ・パラリンピックの柔道日本代表に内定している女子48キロ級(全盲)の半谷静香(35)=トヨタループス、東日大昌平高卒=は2日、東京都内で記者会見した。4度目となる大舞台に向けて「勝ちにこだわり、自分の力を出し切りたい」と決意を語った。

 ―代表に内定した率直な思いは。
 「右膝の前十字靱帯(じんたい)断裂で手術をして昨年9月から選考レースに参戦した中で『間に合って良かった』という気持ち。今は畳の上に立てていることがうれしい」

 ―膝の手術をして、柔道は変わったか。
 「リハビリを通して新しい体の使い方を覚え、姿勢が変わった。以前は自分が攻めたいだけの柔道で前かがみになっていたが、姿勢が良くなり、相手の動きを感じられるようになった」

 ―一緒に対戦していた全盲と弱視クラスがパリ大会では2クラスに分けられる。受け止めを。
 「全盲クラスでは動きの幅が狭く、一緒に戦っていた時と比べて相手を見失う時間が減ったと感じる。自分も目が悪くなっており大変ではあるが、対策が立てやすくなったという点ではチャンスだと感じている」

 ―メダルへの手応えは。
 「けがをして、柔道ができることが当たり前ではないと痛感した。後悔なく、全力を出せれば優勝できると思っている」

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 はんがい・しずか いわき市出身。東日大昌平高卒。生まれつき網膜色素変性症による弱視で、徐々に病気が進行し、現在は全盲の障害クラスとなった。パラリンピックは2012年ロンドン大会からパリ大会で4大会連続出場となる。21年東京大会は5位だった。

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