中国道、路肩のトラックから煙…即駆け付け 消火の2人に感謝状 兵庫・三木

感謝状を受け取った中村真也さん(左)と松田有矢さん=三木市消防本部

 兵庫県三木市吉川町大畑の中国自動車道で5月にあったトラック火災で、初期消火で被害拡大を防いだとして、三木市消防本部は滋賀県湖南市の会社員中村真也さん(45)と、同じく会社員松田有矢さん(45)に感謝状を贈った。「ある偶然」が2人の背中を押したという。その偶然とは?

 同本部によると、5月15日午後2時15分ごろ、三木市吉川町大畑の中国自動車道で、路肩に停車している大型トラックの後輪付近から出火。大型トラックで通りかかった中村さんらが車載消火器を使い、約45分後に消し止めたという。

 「たまたまその日は2人で乗務やったんです」と中村さん。2人は同じグループ系列の会社で勤務しており、中村さんは廃棄物処理、松田さんはその運搬を担当する。その日は偶然、島根県にある新しい取引先に2人であいさつに行った帰りだったという。

 松田さんが運転中、中村さんが「あのトラックから煙出てるで」と声をかけ、松田さんが「行くか」と応じた。「乗務が1人だったら無理やけど、相方がおるから安全確認もできるやろと思って」と松田さん。2人とも慎重に下車して「完全にパニクっていた」運転手から事情を聴き、3人で消火作業に当たった。

 同本部によると、消防が駆け付けた時にはほぼ鎮火状態で「大きな被害にならずにすんだ」と同本部。感謝状を受け取った松田さんは「毎日走っていればいろんなことあるから」と苦笑い。中村さんは「これからも安全第一を続けたい」と話した。(小西隆久)

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