TX、新乗車券の実証実験 QR、タッチ決済導入 来年開始

TXによるタッチ決済やQR乗車券による実証実験機のイメージ

つくばエクスプレス(TX)を運行する首都圏新都市鉄道(東京)ほか5社は、TXの改札をクレジットカードなどによるタッチ決済で通れる次世代乗車サービスの実証実験を、2025年内に始める。併せてQRコードを印字した乗車券による実証実験も行う。新たな乗車券サービスにより、利用客の利便性向上を目指す。

タッチ決済、QR乗車券決済ともTXの一部の駅を対象に実施する。列車の切符として使っている磁気乗車券に代わる乗車手段を試すほか、自動改札機のメンテナンスにかかるコスト削減を図る狙いがある。

タッチ決済では、対応のカード(クレジット、デビット、プリペイド)や、対応カードが設定されたスマートフォンなどを、自動改札機に設置する専用リーダーに触れて通過する。QR乗車券決済では、券売機などで購入したQR乗車券を専用リーダーにかざしてそのまま改札を通れる。

交通系ICカードへのチャージ(入金)や駅券売機での切符購入が不要となり、よりスムーズに乗車できる。タッチ決済に関しては、インバウンド(訪日客)の利便性を高めることにもつながる。

実証実験に参加するのは、ほかに三井住友カード、ビザ・ワールドワイド、JCB、オムロンソーシアルソリューションズ、QUADRAC。オムロン社が対応改札機を開発。首都圏新都市鉄道が対応設備の整備などを担当する。ほかはタッチ決済の認知、認証などに関わる。

タッチ決済の実証実験で使うのは、三井住友カードが提供する公共交通機関向け決済サービス「ステラトランジット」。鉄道ではすでに、JR九州や福岡市地下鉄など全国16社(今年4月時点)が導入している。25年大阪・関西万博開催を前に、関西圏の阪急電鉄、阪神電鉄、近鉄、大阪メトロも年内や年度内の同サービス導入を発表した。

TXでの実証実験の期間は未定。首都圏新都市鉄道は結果を踏まえた実用化について、「現在はまだ、磁気乗車券からの代替手段として検討している段階」と話す。

磁気乗車券からの転換については、JR東や西武鉄道など8社が今年5月、26年度末から順次、近距離券を対象に磁気乗車券からQR乗車券に転換すると発表した。

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