高校野球、ベンチ外選手が全力プレー 志学館×千葉黎明 開幕待たず一足先に引退

グラウンドで記念撮影する志学館と千葉黎明のナイン=市原市

 第106回全国高校野球選手権千葉大会を前に、志学館(木更津市)と千葉黎明(八街市)両校のベンチメンバー外の選手を中心とした引退試合が、ゼットエーボールパーク(市原市)で行われた。ナインは保護者らの応援を受けて、全力でプレー。大会開幕を待たず、一足先に高校野球から引退した。千葉大会ではベンチ入りメンバーを全力で応援する。

 引退試合は6月下旬に開催。序盤は点を取り合う展開で、3回を終えて同点に。中盤は互いに無得点でリードを奪えず、8回に志学館が2得点して7-5で競り勝った。

 試合には、志学館のチア部が駆け付け選手を盛りたてた。試合後は両校の保護者がグラウンドに集合し、写真を撮るなど3年間の思い出を噛みしめた。

 志学館先発の石塚駿太さん(17)は「悔いのないよう楽しんだ。学んだ『しぶとい後半勝負の野球』を生かして将来の夢に向けて大学に進みたい」と晴れやかに話した。

 同校の久保山政志監督は「(ベンチを外れた)選手にこんな力があるのかと痛感した」とたたえ、「千葉大会のメンバーもこの気持ちを受けて頑張ってほしい」と期待した。

 千葉黎明の中野大地監督は「プレーに心打たれた。千葉大会では選手のサポートに回ってくれるので心強い」とねぎらった。

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