特定利用空港指定 国、長崎県に撤回要請を 平和団体が五島市に

野口市長(右)に要請書を手渡す米村議長=五島市役所

 有事に備え平時から自衛隊などが使用する「特定利用空港・港湾」に県が管理する福江空港(五島市)が指定されたことを受け、県平和運動センター(米村豊議長)は2日、同市に対し国や県に指定撤回を求めるよう要請した。
 米村議長らが市役所を訪ね、野口市太郎市長に要請書を手渡した。要請書では特定利用空港になれば平時でも事故や騒音が懸念され「有事の際は相手国の攻撃対象になる」などとした。
 野口市長は指定に前向きな県に対して「県の意向に従う」と回答したと説明。これに米村議長は「市民の意見を聞くことをせず回答し、県も判断を地元に委ね責任を回避している」などと対応を批判した。
 野口市長や市幹部は市議会全員協議会や、市の広報紙を通じて指定の経緯や市の考えについて説明したとし、「市民を守るため、市としてできる限りの対応をしていきたい」と述べた。

© 株式会社長崎新聞社