ハリケーン「ベリル」、史上最も早く「カテゴリー5」に 6人死亡、ジャマイカ厳戒

ハリケーン「ベリル」により損傷した漁船=1日、カリブの島国バルバドス/Randy Brooks/AFP/Getty Images

(CNN) カリブ海の島国で大きな被害を出している猛烈なハリケーン「ベリル」が、さらに勢力を増して最も強い「カテゴリー5」に発達した。3日にはジャマイカ、4日にはケイマン諸島が暴風や高潮に襲われる見通しで、命の危険もあるとして各国が警戒を呼びかけている。

ハリケーンシーズンが始まったばかりの異常に早い時期に発生したベリルは、史上最も早くカテゴリー5に発達。7月にカテゴリー5のハリケーンが記録されたのは、2005年の「エミリー」に続いて史上わずか2度目だった。ベリルの勢力がこれほど強まったのは、地球温暖化に伴う異常に温暖な海水温の影響だった。

米国立ハリケーンセンターによると、ベリルは3日、ジャマイカ島南部に上陸する見通し。ジャマイカに大型ハリケーンが上陸するのは30年以上ぶりとなる。

ジャマイカ政府は2日、ベリルの接近を受け、食料や水、電池などを蓄えるよう国民に呼びかけた。

ベリルに直撃されたカリブ海の島国や南米ベネズエラでは、これまでに少なくとも6人が死亡している。

このうちベネズエラでは、ベリルの影響で2人が死亡、少なくとも5人が行方不明になった。

1日にベリルに直撃されたグレナダでは少なくとも3人が死亡。わずか数分で建物が破壊され、グレナダ島のほぼ全土で停電が発生して通信が途絶した。

隣国のセントビンセント・グレナディーンでは少なくとも1人が死亡した。病院などが停電や断水に見舞われ、同国のユニオン島では住宅の約90%が全半壊。セントビンセント島でも住宅や学校、教会、政府庁舎など数百棟に大きな被害が出ている。

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