都政の課題「インバウンド」求められるものは?

都知事選に向け、TOKYO MXでは都政の課題について取材を行うとともに、各候補が掲げる課題への政策をお伝えしていきます。2日目のテーマは、「インバウンド」です。今後の東京の経済発展のために欠かせないひとつが、外国人観光客の受け入れです。ただ、その一方で、オーバーツーリズムも懸念されています。

記者:「都内有数の観光地渋谷にやってきました。平日の昼間ということでそこまで人出は多くありませんが、至るところで外国人観光客が写真撮影をしています」

駅周辺ではスクランブル交差点を撮ろうと、外国人観光客が殺到していました。さらにハチ公の前でも撮影を待つ長い列が。都が行なった調査によりますと、去年1年間に都内を訪れた外国人観光客の数は約1954万人と過去最多で、渋谷は2022年に続き1位となっています。

「東京はわたしにとってずっと憧れの場所でした。文化も好きだし、フィンランドとは全く違うから、ここにきて体験したかったんだ」「電車は素晴らしいです。ほんとに世界で一番良い電車のシステムです」

一方でこんな不満も…

「中国ではスマホ決済の方が普及していて、日本では硬貨での支払いが多くて、小銭が重いです。女性に不親切です」「観光客は日本語が話せない。日本人も英語で交流することができないから、私たちにとってコミュニケーションを取る事は難しいです」

インバウンドをめぐっては、先月(6月)政府が閣議決定した今年の観光白書で、公共交通機関の混雑や、写真撮影のための私有地への立ち入り、ごみ捨てなど、住民の生活に影響する「オーバーツーリズム」が、外国人観光客が集中する一部の地域で起きていて、適切な対処が必要だと指摘しています。

渋谷センター街の鈴木理事長は、すでにごみの問題などが深刻な状況になっているとして、都にも早急な対応を臨んでいます。

理事長 鈴木さん:「それぞれ文化の違い習慣違いがあると思うけども、ポイ捨てというのは見受けられますね。深夜における路上飲酒の問題がありまして、この渋谷のような大きな繁華街においては路上飲酒できないという。東京都としてもそのような条例ができていただければと思います」

「インバウンド」戦略について、候補者それぞれの主張をまとめました。

現職の小池さんは、まだまだ外国人観光客は受け入れることができると話し、さまざまな観光施設を磨いていく必要があるとしています。

蓮舫さんは、インバウンドに関して、都が積極的に呼びかけるステージは終わったと主張していて、都民と一緒に改めて観光政策を考えていかないといけない訴えています。

田母神さんは受け入れ事態は大歓迎だが、体制を整えて、問題のない数でやるべきだと強調しました。

石丸さんはインバウンドをもっと取り込むべきだとしていて今後について観光地の整備は民間で、周辺のインフラ整備を都が行うべきだとしています。

都政の課題、あすは「神宮外苑の再開」についてお伝えします。

都知事選には過去最多の56人が立候補しています。都知事選の投開票は7日に行われます。現在都内の300カ所以上に期日前投票所が開設されています。都知事選の主な争点には災害対策、少子化対策、物価高対策の他、小池都政への2期8年への評価などがあがっています。都知事選は7日に投開票です。

■東京都知事選挙 立候補者(届け出順・敬称略)
野間口翔(36)/澤繁実(47)/大和行男(46)/木宮光喜(71)/小池百合子(71)/内海聡(49)/石丸伸二(41)/小野寺紘毅(79)/新藤伸夫(75)/竹本秀之(68)/桜井誠(52)/ドクター・中松(96)/安野貴博(33)/清水國明(73)/AIメイヤー(51)/桑原真理子(50)/後藤輝樹(41)/河合ゆうすけ(43)/福本繁幸(57)/黒川敦彦(45)/桑島康文(62)/田母神俊雄(75)/蓮舫(56)/内藤久遠(67)/内野愛里(31)/石丸幸人(51)/尾関亜弓(43)/小松賢(36)/加賀田卓志(47)/福永活也(43)/犬伏宏明(48)/武内隆(61)/遠藤信一(59)/上樂宗之(45)/二宮大造(53)/中江友哉(32)/舟橋夢人(58)/山田信一(53)/加藤英明(65)/草尾敦(55)/津村大作(50)/横山緑(46)/前田太一(38)/南俊輔(39)/福原志瑠美(41)/木村嘉孝(49)/三輪陽一(42)/松尾芳治(46)/穗刈仁(57)/小林弘(49)/加藤健一郎(74)/ひまそらあかね(41)/向後真徳(62)/牛窪信雄(51)/古田真(77)/アキノリ将軍未満(37)

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