9選挙区で都議補欠選挙 中野区4人の戦い…同日投票の都知事選が影響も

都知事選と合わせ、江東区や中野区など都内9つの選挙区では、都議会議員の補欠選挙も行われていて、合わせて30人が立候補しています。

政党別で見ていくと自民党は南多摩以外に8人を擁立、立憲民主党と共産党は選挙区のすみ分けをしていて、立憲民主党は3人、共産党は4人を立てています。そのため、6の選挙区で実質的な与野党対決となっています。また、躍進を狙うのは小池知事が特別顧問を務める地域政党都民ファーストの会です。都民ファーストの会は4人を擁立しています。現在の都議会の議席としては第一会派の自民党が28議席、都民ファーストの会が25議席となっていまして選挙の結果に寄っては、第一会派が変わることになる重要な選挙戦となります。

さて9つある都議補選の選挙区の中で、中野区は4人が立候補しました。前回の都議選では立憲民主党、都民ファーストの会、公明党の3人が当選していまして、今回、議席獲得をねらう自民党は前回に続き出井さんが出馬。一方、都民ファーストの会は前回当選し、参院選への出馬により失職した荒木さんが、自身の議席を取り戻す戦いとなります。さらに今回は投票日が同じ都知事選の影響で複雑な構図となっていまして、知事選でともに小池さんを支援する自民党と都民ファーストの会の候補者が議席を争う選挙区にもなっています。

中野区に生まれ育ち、中野区議会議員を5期務めた自民党の出井良輔さん。1日に区内30カ所ほどを回り、訴えるのは、「安心して暮らせる」政策の実現です。

出井氏:「逆風といいますか、自民党に対する厳しいご指摘を直接、ダイレクトに有権者からいただいている。国政と私たち地方議会は違うということでご認識いただいている人が多くいる」

知事選では自民党とともに小池さんを支援する都民ファーストの会の候補と議席を争うことについては、複雑な思いもあるようです。

出井氏:「私たち自民党は小池都知事を支援していこうと決めている。一方で応援する側の東京都知事が中野区選挙区においてどの候補を支援するのかは、私たちもよくわからない」

都議会議員への復帰を目指す、都民ファーストの会の、荒木千陽さん。不妊治療を経て去年、早産で生まれた子どもを育てている実感を演説に盛り込み、介護や子育て政策の充実を訴えています。

荒木氏:「私が困っていること、お母さんたちが困っていることを小池知事に伝え、都の福祉保健局に伝えたところものの1週間、10日で制度を変えてくれた。困っていることを政治の現場で私が変えていきたい」

これまで選挙のたびに知事が応援に駆けつけてきましたが、知事選と重なる今回の選挙戦では自身の政策を前面に出し、自分を選んでもらう選挙にしたいと意気込みます。

荒木氏:「「中野区のためにあなたは何をやってくれるの?」というのが大きいので、しっかりと堅く政策を訴えていきたい。「やっぱり荒木さんよね」と言っていただきたい」

中野区出身で中野区議を6期務めた共産党の長澤和彦さんは、24年にわたる実績をアピールし、家賃補助や国民健康保険料の引き下げなど、「暮らしを守る」政策を強く訴えています。

長澤氏:「物価高高騰で賃金が多少上がっても追いつかない、やはり、そこにちゃんと光をあてる、そうした都政にならないといけないのではないか。豊かな財政力を使って、そこを支えていく様々な負担、これをやっぱり軽減したい

街頭での演説には、前回の都議選で「野党統一候補」として当選した都議会・立憲民主党の西沢幹事長が複数回、駆け付けるなど、実質的な「野党共闘」での選挙戦を展開しています。

長澤氏:「立憲の区議の方も、どこでもそうやって応援に立っていただいているんで、実際応援をいただいているという風に私は受け止めてる。もう、ありがたいと思っている」

大手広告代理店・電通の元社員で、コピーライターなどとして、環境に関する仕事に携わってきた無所属のマエキタ ミヤコさん。選挙戦のキャッチコピーは「都政をひらいて、真実を伝える」です。

マエキタ氏:「情報を出さない都議会、知事、記者クラブでは困ります。知らされない人が増えれば、正しい判断ができなくなります」

情報公開を積極的に進め、都民が主役となって政策を決める都政を目指します。

マエキタ氏:「都税の使われ方、17兆円をどうやって使うかを、腹を割って話し合わないと、都民のためになる政策は実行できない」

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