千葉県内夏ボーナス予想 2.9%増60万8000円 暮らし「悪くなりそう」2割 賃上げ機運も物価高不安

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 ひまわりベンチャー育成基金千葉経済センターは、働き手を対象に実施した今夏のボーナスに関するアンケート調査の結果を発表し、平均予想額は60万8千円で、昨夏の受給額から1万7千円(2.9%)増となった。使い道では「旅行・レジャー」が上昇した。一方、暮らし向きの調査では、今後半年間で「悪くなりそう」と回答した人が約2割で、「良くなりそう」(9.4%)を大幅に上回り、円安を背景とした物価高への先行き不安感もみられた。

 調査は、毎年夏と冬で年2回実施。今回は4月1~5日、県内全域の千葉銀行営業店で来店客計千人を対象に行い、929人(92.9%)から回答を得た。

 今夏の予想額を世代別でみると、最も上げ幅が大きかったのは30歳未満で昨夏実績比21.2%増の42万8千円。30代は同4.3%増の56万5千円を見込んだ。50歳以上は昨夏と同じ66万4千円。同センターの担当者は「若年層の待遇を手厚くして人材確保につなげている傾向が表れている」とみる。勤務地別では県内勤務者は3.3%増の55万6千円だったのに対し、大企業の多い東京都内勤務者は同4.2%増の89万4千円。

 ボーナスの使い道は1位が「貯蓄・投資」、2位が「教育・教養」。昨夏6位だった「旅行・レジャー」は3位に浮上した。同センターによると、新型コロナ禍の落ち着きで、旅行への需要が戻ってきているとみられる。年齢層別では30歳未満は「旅行・レジャー」、30代は「買い物」、40代・50代以上は「教育・教養費」「生活費への補てん」への配分が高かった。ボーナスで買いたい品物は、男女ともに紳士・婦人服がトップ。

 生活全般に関する調査では、今後半年間の消費支出を「減らす」(22.3%)と答えた割合が「増やす」(19.1%)を上回った。担当者は「賃上げの動きなどは見られるものの物価上昇分には追いついておらず、暮らし向きについては楽観視していない層が多い」と説明した。

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