憧れの北アルプス『白馬バレー』へ出かける際に立ち寄りたい! 村自慢の「道の駅」3選

「道の駅 白馬」の売店コーナーはスペースいっぱいに特産品が並んでいる(撮影:栗山ちほ)

長野県の「HAKUBA VALLEY」は、スキー場がいくつも点在するウインタースポーツが盛んなエリア。そして雪のないグリーンシーズンは、キャンプやトレッキング、絶景テラス、高山植物園など自然豊かな環境を生かしたさまざまなアクティビティを楽しめる。そんな旅行の立ち寄りスポットとして頼りになるのが「道の駅」。休憩をかねて買い物や食事をしながら、地域の特産品や名物グルメを知ることができる。「HAKUBA VALLEY」へおでかけの際、立ち寄りやすい3つの「道の駅」をここでピックアップしたい。

■HAKUBA VALLEYの要衝にある「道の駅 白馬」【白馬村】

「紫舞」には「朝紫」と「南京香稲」の2種がある。白米に混ぜて炊くときれいな紫色のごはんができあがる

松本方面から「HAKUBA VALLEY」へとアクセスする際に通る国道148号線。白馬村に入り、ちょうど左手に白馬連峰の山並みが見えるエリアに入ったあたりで、国道沿いの「道の駅白馬」に立ち寄れる。

ここの特産品は「紫舞(むらさきまい)」。白馬村の北東端に位置する青鬼(あおに)集落で、低農薬にこだわり栽培された古代米の一種で、紫色の見た目も美しい。中国では薬膳料理にも使われている古代米の一種で、白米に比べてビタミン・ミネラル・食物繊維を多く含む。また、紫の色素はアントシアニンで、「抗酸化作用」が期待できるというポリフェノール。噛むほどに味わい深い「紫舞」は、売店で袋詰めされた状態で売られているほか、レストランで食べることもできる。

また、レストランで提供しているそばは、店内で手打ちしたもの。白馬産の豚を使った「ロースカツ定食」や「はくばの行者にんにく焼豚丼」なども食べられる。

白馬のステンドグラスが印象的な「道の駅白馬」

■白馬村雪下にんじんを使ったさまざまな加工商品

白馬の雪に埋まって冬を越し、甘みがアップした雪下にんじん。ジュースやドレッシングなどで味わえる

「雪下にんじん」とは、8月中旬に種をまき、そのままの状態で越冬し雪解けの頃に収穫したもの。春になって掘り起こすと、一般的なにんじんよりもグッと糖度が高くなるのが特徴だ。その雪下にんじんを加工したジュースやドレッシング、さらにジャムまである。瓶やラベルなどのデザインまでこだわったおしゃれな商品で、それぞれ単品で買えるほか、セットになったものも購入可能。

郷土料理の「おやき」は、定番の野沢菜や切干し大根などの定番から、りんごカスタード、といった変わり種まで種類が豊富。しかも、すぐそばにある自社加工工場からできあがったものがどんどん追加されてくる。

白馬で育てた酒米を醸造した「白馬八方黒菱」や、オリジナル手ぬぐいで包んだ「大雪渓」など地域限定品の地酒も充実。ほかにも陶器や木製のカトラリー、白馬村のキャラクター「ヴィクトワール・シュヴァルブラン・村男Ⅲ世」のグッズなど、地域色豊かなお土産が揃っている。

白馬村で生まれた豚を加工した「白馬ハム」。ウインナーやサラミなど種類が豊富
辛口な味わいの大雪渓の純米酒。その「村男手ぬぐい包み」バージョンは地域限定販売品

■穏やかな里山でのんびり休憩できる「道の駅 おがわ」【小川村】

「道の駅 おがわ」は、長野市から白馬に向かう途中休憩にぴったりの場所にある

長野市方面から「HAKUBA VALLEY」を目指すなら、オリンピック道路と呼ばれる幹線道路の利用が便利。そのルート沿いの、ちょうど長野市と白馬村の中間という絶妙な立地にあるのが小川村の「道の駅 おがわ」だ。

三角屋根の入り口から建物に入るとこじんまりとした売店があり、受付のすぐ横に名物のおやきが売られている。毎日、その日の分だけ手づくりしているおやきは、もちもちとした食感。人気が高く売り切れになることも多いという。売店のすぐ横が「食事処 味菜」で、このレストランがメインの施設となっている。

入り口を縁取るカラフルなペイントも手作り感満載で人の温かさが感じられる

■「食事処 味菜」は、何度もリピートしたくなる家庭的な味

「食事処 味菜」には、定食や丼ものなどの定番や、手打ち蕎麦、信州オレイン豚のとんかつといった見逃せない料理が揃う。料理を作るのは地元の主婦がメインとあって、どの料理も心が落ち着く家庭的な味。冬は「なべやきうどん」やコシのある平打ち麺を煮込んだ「おぶっこ」など暖かいメニューを用意しているが、夏季は冷たい手打ちそばがさっぱりと食べられる。

また、山深い場所にもかかわらず、富山湾直送の新鮮魚介を味わえるのがこのレストランの魅力でもある。ボリューム満点の海鮮丼をはじめ、刺身定食や鮪の山かけ定食などがメニューに揃い、どれを食べようか迷うほど。あおりイカやかんぱちの刺身、白えびの唐揚げ、メギスのすり身揚げなどの単品料理も選べる。ほかにも、「本日のランチ」など、何度もリピートしてあれこれ食べてみたくなる。

また、「道の駅おがわ」には、「食事処 味菜」のほかに、コンビニエンスストアと村で収穫された農産物を販売している「さんさん市場」が隣接している。

「さんさん市場」で旬の野菜が手ごろな価格で手に入る。季節によっては、たけのこや山菜、きのこなどが手に入る

■日本海側からアクセスする人は「道の駅 小谷」が便利【小谷村】

雪深い土地を耐え抜いてきた古民家の古木を組み上げた売店コーナーの内装

日本海側から「HAKUBA VALLEY」に向かうときは、姫川沿いに延びる千国街道(国道148号)を通るのが一般的。「道の駅 小谷(おたり)」がある小谷村は、海から塩や海産物を運んだ街道沿いの宿場町として発展したところだ。

売店コーナーは古民家3棟分の梁や柱を再利用し、小谷の職人たちが仕上げた風情ある空間。買い物を会計するカウンターの壁は村内で茅を集め、小谷村周辺の地形図を茅葺で立体的に作り上げたオブジェが飾られている。

きれいに並べられた商品は、小谷産の素材を使った地酒やそばやお菓子のほかに、ぼろ織や猫つぐらといった伝統的な工芸品など、この土地ならではの特産品が勢揃い。売り場には、小谷村の放牧豚を北アルプスの山麓で自然熟成したプロシュートの原木まであり、見せ方もおしゃれだ。

人気商品の「みつろう保湿クリーム」は、里山のミツバチから集めたみつろうを使ったもの

■食事処や温泉も見逃せない

かまどからたちのぼる煙や、お米が炊ける蒸気の香りが食欲を刺激する

食事処「かまど飯処 鬼の厨」では、かまどで炊き上げた小谷産コシヒカリを味わえる。おすすめ料理の「日替わりかまど定食」は、小谷産・信州産の主菜に小鉢が1~2品と、豚汁または季節の味噌汁が付き、炊き立てごはんは、お替わり自由の食べ放題。

また、「道の駅 おたり」は、温泉施設「深山の湯」を併設しているのも魅力のひとつだ。温度の異なる2つの源泉で心身を癒せ、露天風呂でくつろげる。施設内の食事のレシート(1名500円以上利用)を受付に提示すれば入浴料が半額になるのでぜひ利用したい。

この道の駅で、ショッピングや食事、温泉でリフレッシュまですべて完結できるので、レジャー帰りに非常に便利。「HAKUBA VALLEY」と新潟県糸魚川市を結ぶ千国街道を通るなら「道の駅 おたり」は絶好の立ち寄りスポットといえるだろう。

「道の駅 小谷」は、売店やレストラン、温泉施設を完備しているので規模が大きい
小谷村で恐竜の足跡の化石が発見されたことにちなみ、「道の駅 小谷」の屋外には恐竜のモニュメントがある

© 株式会社双葉社