【大人のひとり旅】プロが指摘する「初心者がついやってしまいがちな旅のプラン」とは?

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これからの人生を充実させるには、「ひとりの時間」を過ごす方法を知ることが鍵。ひとりで自分らしく旅をしたり、ゆったり食事を楽しんだり、心豊かに遊んだり。ここでは、ひとり旅を満喫するためには、どんなことを心がけ、どのようなことをしたらいいのか、旅行ジャーナリストの津田令子さんにお話を伺いました。

自分で台本を書いて監督や主演もするのが、ひとり旅

中高年の女性から、ひとり旅をするためのアドバイスを求められることが多いという津田さん。

「自由、気まま、わがままに楽しめるのがひとり旅の魅力です。ただし人に頼れないので、それなりの準備は必要。自分でプロデュースするのが『ひとり旅』なのですから」

まずは旅の目的を決める。

「つい人気の場所に目が行きがちですが、人が殺到するので、それは旅慣れてからのほうが安心。最初は、自分が日頃から興味をもっていることを旅のテーマに選ぶのをおすすめします。たとえば好きな作家ゆかりの地に行く、神社仏閣をめぐる、焼き物の里を訪れるといったように」

準備段階では、書店の「ひとり旅コーナー」の書籍もチェック。最近は、おひとりさま歓迎の宿やレストランを紹介した本などがある。

「新聞に日頃から目を通して、最新の情報を仕入れておくことも大事。さらに、電話で前もって現地に問い合わせることもおすすめしています。たとえば新緑を見たいと思っていても、年によってピークの時期は違う。そこで目的地の観光協会に自分で電話をして確認します。最も確実で頼りになるのは生の情報です」

旅先でも生の情報収集は大切。

「名物料理の店が何軒もあって迷うことってありますよね? そんなときは地元の人に尋ねるのが一番。私は酒屋さんでミネラルウオーターを買いながら、『地元の人が行くのは、どの店ですか?』と聞きます」

ひとり旅は、終わったあとにもメリットがあるという津田さん。

「ひとり旅から帰ってくると、見慣れた自分の家や家族、友人知人が迎えてくれます。そして、いつもと変わらぬ平穏な日常が、とてもありがたいものだと改めて気づくんですよ。明日からの生きる力を与えてくれるのが、ひとり旅だと思っています」

快適な「ひとり旅歓迎の宿」の探し方

おひとりさま歓迎の宿は本やネットで調べることができます。あるいは、目当ての宿に電話して「ひとりなんですが、大丈夫ですか?」と聞きます。

おひとりさまは料金アップの場合もあるので、その確認も忘れずに。

また、広間で家族連れに囲まれて夕食をとるのが苦手な人は、「夕食は部屋食ですか、個室ですか、広間ですか?」と尋ねてください

バスツアーは入門から上級まで使える

ひとり旅が初めてというなら、ひとり参加OKの日帰りバスツアーがおすすめ。最近のバスツアーには、いろいろなテーマや目的のものがあるので、初心者だけでなく上級者も楽しめます。

あるいは、行きと帰りの電車や飛行機、宿だけが決まっていて、あとはフリーというツアーも便利。移動や宿はみんなと一緒だから安心なうえ、ひとり旅気分も味わえます。

※この記事は「ゆうゆう」2014年6月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。


監修者
旅行ジャーナリスト 津田令子

つだ・れいこ●日本観光協会を経てフリーのトラベルキャスターに。NHK学園や文化センターの講師、NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長などを務め、旅や街歩きのよさ、地方の魅力を発信している。FMラジオ「熱海湯河原Ciao!」の「土曜旅カフェ」レギュラー出演中。『旅行新聞』でコラム連載中。『接客革命』(芦書房)など、著書多数。https://r-reco.rexw.jp/

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