子どもの敏感期とは?いつ始める?どう接するべき?【ゆる〜く楽しく続く!おうちモンテッソーリの知育遊びアイデア帖】

いつ始める?まだ間に合う?「敏感期」とは

敏感期はこんなにすごい!

モンテッソーリ教育のカギとなるのが「敏感期」です。これは、0~6歳の子どもが特定のことに対して感受性がとても高くなる時期のこと。たとえば言語の敏感期にある子どもは、お母さんのおなかにいる頃から言語を聞いて吸収し、たった2年ほどで日本語を理解して話せるようになります。このように、感受性が高まっていることにおのずと夢中になり、みるみる習得していくのが敏感期のすごいところ。この時期を逃さないよう、敏感期について親が正しい知識を身につけておくことが大切です。

敏感期の子どもにどう接するべき?

敏感期の子どもは、興味がある物事に夢中になり、爆発的に成長していきます。この時期に、子どもの行動を邪魔することは、大切な成長の機会を奪ってしまうということ。たとえば、運動の敏感期にいる子どもで、走り回ることが楽しいのなら、「じっとして」と注意するだけではなく走り回れる場所へ連れていってあげることが大切です。子どものやりたいことを十分にさせて、成長をサポートしましょう。

また、敏感期を迎える時期は子どもによってまちまちです。周囲の子どもと比べたりせず、お子さんの様子をよく見て、何に興味があるのかを見極めましょう。

敏感期の考え方は、どこまで含めるかが提唱する人によって大きく異なります。言語の敏感期は0~6歳ですが、書く敏感期だけなら3~6歳です。話し言葉の敏感期も含めるなら、胎児期からといってもよいでしょう。本書では、これらの考えを幅広く捉えた場合の敏感期を挙げています。

どんな敏感期がある?

運動の敏感期

胎児期~6歳

歩く、走るといった大きな運動から、指先の細かな運動まで含まれます。子どもはさまざまな運動を繰り返し、思いどおりに身体をコントロールできるようになっていきます。

感覚の敏感期

胎児期~6歳

五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)を磨く時期。3歳頃までは五感を使ってさまざまなことを吸収し、3~6歳ではこれらの感覚をさらに研ぎ澄ませていきます。

言語の敏感期

胎児期~6歳

聞く、話す、書く、読むなどして、言語を習得していきます。胎児期に言語を吸収し始め、2~3歳で話す敏感期を迎えます。3~6歳で書く敏感期、読む敏感期が訪れます。

社会性の敏感期

誕生~6歳

他者との関わりを習得していきます。3歳頃までは人との接し方を見て学び、3~6歳で人との正しい関わり方に関心を持つようになります。

秩序の敏感期

誕生~3歳

方法、順番、配置などにこだわり、これらの秩序(ルール)が崩れると反発することもあります。わがままにも映りますが、論理的思考などを育てるうえで大切な過程です。

数の敏感期

4~6歳

数を数える、足す、引くといったことに強い関心を持つ時期。ほかの敏感期より遅れて訪れます。

敏感期チャレンジリスト 0~3歳

0歳

□ うつぶせの練習をする
□ 物を意識してつかむ
□ 物を意識して落とす
□ 野菜や果物、花などの匂いをかぐ
□ コップで飲む
□ 音楽を聴く

1歳

□ 物を持ち歩く
□ 階段の上り下り
□ 走る
□ 跳ぶ
□ 気持ちや要求を代弁する
□ 歌う・踊る
□ ゴミをゴミ箱に入れる
□ 食器をかたづける

2歳

□ 料理に参加する
□ 片足で立つ
□ 子どもと一緒に考える
□ 会話を楽しむ

0~3歳

□ 日常生活の中で積極的に数にふれる

敏感期チャレンジリスト 3~6歳

3~6歳

□ ボールをつく
□ キャッチボール
□ 鉄棒
□ うんてい
□ 自転車
□ 掃除をする
□ 食器を洗う
□ 食事の準備・あとかたづけ
□ 身じたくをする
□ 料理をする
□ えんぴつを持つ
□ 自分なりに文字を書く・読む
□ 手紙を書く
□ 子どもが読めそうな絵本を用意する
□ 音程のある楽器にふれる
□ さまざまな画材にふれる

4~6歳

□ 1~10まで数える
□ 数字が読める・書ける
□ 数字を見て(聞いて)、その分の数を用意できる
□ 足し算・引き算の概念を理解し始める

●年齢は目安です。お子さんの興味・関心に応じて取り入れてみてください。
●年齢は「やり始めるのにいい時期」で、「できるようになる時期」ではありません。

【出典】『ゆる〜く楽しく続く!おうちモンテッソーリの知育遊びアイデア帖』監修:北川真理子

【書籍情報】
『ゆる〜く楽しく続く!おうちモンテッソーリの知育遊びアイデア帖』
監修:北川真理子

モンテッソーリ教育は、多くの教具や教材を使用し、子どもが自ら発見し学べる環境を提供する教育方法です。モンテッソーリ園では、異年齢の子ども同士の関わりも重視され、優しさや思いやりが自然に育まれます。しかし、家庭では教具を揃えるのが難しく、環境も十分ではありません。本書では、家庭でできるモンテッソーリ教育の要素を取り入れた知育遊びを紹介。特に指先を鍛える遊びが中心で、これにより将来の鉛筆や箸の使用に役立ちます。子どもが興味を示さない場合は、全身運動を取り入れてから再挑戦するのがおすすめです。本書が子どもの成長と自立をサポートする一助となることを願っています。

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