【山口敏太郎の現代妖怪図鑑194】超巨大怪鳥「ぐはい」なんと翼長は10メートル超!

ぐはい

オカルト評論家・山口敏太郎氏が都市伝説の妖怪、学校の怪談、心霊スポットに現れる妖怪化した幽霊など、現代人が目撃した怪異を記し、妖怪絵師・増田よしはる氏の挿絵とともに現代の“百鬼夜行絵巻”を作り上げている。第194回は「ぐはい」だ。

山に潜んでいる怪鳥である。体長は2メートル、翼長は10メートルを超える巨大な鳥である。山の中に巣を作り、一度に2、3羽のヒナを飼育し、鹿などを餌としている。たまに人里に現れて小屋の屋根をやぶり、牛馬を襲撃する場合もある。

あまりに家畜の被害が続くので、近隣の猟師が話し合ったことがある。広い場所におとりの牛をつなぎ、猟師が一斉射撃を行ったが、血を数的流しただけであった。

名前は「ぐはい」というのだが、関連深い妖怪は、思い付かない。唯一、明治時代に暴れ回った「わに食い鳥」が思い出される。大きさ的に近いものがあり、海中のワニ(サメ)をくわえて山間部まで運び、食べるといわれた。

他に、巨大な鳥の妖怪といえば、これまた明治時代に新聞で騒がれた「大とり」がいるが、これはぐはいほど凶暴ではない。

あと、ぐはいと書いて「ぐわい」と発音することから考えて、街中に出る妖怪「こわい」と関係があるのかもしれない。凶暴なところや食欲旺盛な性質が似ている。

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