中国初、全面グリーンの海上油田が北部湾で稼働

中国初、全面グリーンの海上油田が北部湾で稼働

「烏石23-5」油田の海上プラットフォーム。(6月18日、ドローンから、広州=新華社記者/黄国保)

 【新華社広州7月3日】中国石油大手の中国海洋石油集団(CNOOC)傘下の中海石油湛江分公司が手がける「烏石23-5」油田群開発プロジェクトが1日、稼働を開始した。CNOOCによると、同油田は中国初の全面的なグリーン(環境配慮型)の海上油田で、南中国海の西北部に位置する北部湾で初の海洋油田向け陸上電力供給プロジェクトとなる。

 プロジェクトは原油処理ステーション、液化天然ガスステーション、液化石油ガスステーション、生産水ステーション、変電所、第5世代移動通信システム(5G)基地局の六つが一体になっており、生産水の処理過程で二酸化炭素(CO2)の排出量ゼロを実現。中国のエネルギー産業の低炭素化、グリーン化に向けた海上油田の新たなグリーン開発モデルとなっている。

中国初、全面グリーンの海上油田が北部湾で稼働

「烏石23-5」油田の海上プラットフォーム。(6月18日、ドローンから、広州=新華社記者/黄国保)

 油田群は北部湾海域に位置し、平均水深は28メートル。坑口プラットフォーム2基の建設と烏石陸上ターミナルの改修・拡張を行い、採油井28基、注水井15基の合計43基の開発井の稼働を計画している。

 油田の生産過程では生産水とそれに伴う天然ガスが発生する。同油田群は烏石ターミナルに生産水処理ステーションを設置し、上流のプラットフォームで発生する油性廃水が注水基準に達した後、全量を海上プラットフォームに輸送し地層へ注入することで、全プロセスでCO2排出量と汚染をゼロに抑えた。

中国初、全面グリーンの海上油田が北部湾で稼働

「烏石23-5」油田の陸上ターミナル。(6月19日、ドローンから、広州=新華社記者/黄国保)

 油田群は原油に伴って産出する油田関連ガスを液化天然ガスと液化石油ガスの2種類の製品に効率的に変換、貯蔵し、輸出することができる天然ガス一体化処理設備と貯蔵タンクを備えており、油田に伴い発生する関連ガスのプロセス全体を通じた有効利用を実現した。

 同社の戴毅(たい・き)総経理は、油田群が油田の設計、建設、生産段階を通じて「グリーン・低炭素」で進められ、油田の効率的な設計とグリーン建設の新たなモデルを打ち出し、海上の石油探査開発の低炭素化モデルを推進していると述べた。(記者/黄国保、張程喆)

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