QBラブは“次世代のスーパースター”になれるとパッカーズRBジェイコブス

ジョシュ・ジェイコブス【AP Photo/John Locher】

今オフシーズンは、あらゆる側面からランニングバック(RB)ジョシュ・ジェイコブスがグリーンベイ・パッカーズに向かう可能性が高いと見られていた。

フリーエージェント(FA)となったジェイコブスがNFLの動向を調査し、選択肢を検討するにつれ、パッカーズはますます理にかなった目的地に見えるようになっていったのだ。

パッカーズと4年4,800万ドル(約77億5,639万円)の契約を締結してから、ジェイコブスは自分の決断が正しかったという確信をよりいっそう強めている。

現地2日(火)に配信された『The Insiders(ジ・インサイダース)』に出演したジェイコブスは『NFL Network(NFLネットワーク)』のマイク・ガラフォロとトム・ペリセロに「正直、このオフェンスに限界はないと思う」と話している。

「もちろん、ジョーダン・ラブ(クオーターバック/QB)みたいな特別なヤツがいるし、優れたオフェンシブラインと有能なレシーバーもそろっているから、俺としてはすごくやりやすくなっている。でも、今年のゲームプランとか、彼らが俺にやらせたいこと、やらせてくれることを見ているだけでも、特別な1年になるんじゃないかと思うんだ」

ヘッドコーチ(HC)マット・ラフルアーはこれまで、パッカーズで複数のランニングバックを起用するアプローチを好んできたが、ジェイコブスについてはより多くの仕事量を担うことになるだろうと述べている。ラフルアーがロサンゼルス・ラムズの攻撃コーディネーター(OC)を務めていた2017年シーズンまで遡らなければ、彼が指導していたランニングバックで300回以上のタッチを記録した選手を見つけることはできないが、今季のジェイコブスにはそのような可能性があるのかもしれない。

ラフルアーHCはランニングバックをパスプレーで活用するのも好んでおり、ジェイコブスはパッカーズでは“本物のルートを走らせてもらっている”と明かしている――これは、ラスベガス・レイダース時代の自身の起用法を暗に批判しているのだろう。また、ジェイコブスはパッカーズで第3ダウンでの役割を担うことが多くなるようだ。

「出て行って、ボールをもっとキャッチできるところを実際に見せられるだけじゃなくて、プロテクションを任されるほど信頼してもらっている。ジョーダン・ラブみたいなヤツが後ろにいるのはすごく特別なことだ。全部のプレーでボックスに人を集めるわけにはいかないし、相手ディフェンスには何を防ぐか決めさせることができる。今年はそれが自分にとって一番の助けになると思う」とジェイコブスは話している。

ラブもまた、レイダース時代に中途半端なQBのプレーに悩まされていたジェイコブスを大いに助けるだろう。昨季のラブは出だしこそ振るわなかったものの、シーズン終盤にはパッカーズを予想外のプレーオフ勝利に導くという快進撃を見せた。

ジェイコブスはまだあまりラブと直接的に関わっていないが、その限られたやりとりから判断すると、ラブは安定して成功するための条件をすべて備えているように見えるようだ。

「俺が見る限り、彼はこのリーグでスーパースターになるための特徴とツールをすべて持っている」と語ったジェイコブスは「プレーを続け、経験を積み、自分の能力とできることに自信を持つようになれば、彼は間違いなくこのリーグで次世代のスーパースターになると思う」と続けている。

ジェイコブスはパッカーズも自分の将来にとって重要な存在だと考えているようだ。ジェイコブスの契約は4年間ずっとチームにとどまることが保証されるような形にはなっていないが、グリーンベイで根を張り、そこでNFLでのレガシーを築き始めたいと考えているジェイコブスは、次のようにコメントしている。

「正直、年を重ねて現役生活が長くなるにつれて、レガシーを築くという真の目標ができたと言える。重要な試合でプレーしたい。プレーオフでプレーしたいし、勝ち進みたい。進出できたならそこでプレーしたい。そういう思いが大きい。それが一番重要なことなんだ」

ジェイコブスは26歳の自分がパッカーズ攻撃陣の中では年長者の1人であることも自覚せざるを得ない。このオフシーズンにオフェンシブタックル(OT)デービッド・バクティアリやRBアーロン・ジョーンズといったベテラン選手が退団したことで、パッカーズ攻撃陣の先発候補でジェイコブスよりも年上なのは28歳のガード(G)エルグトン・ジェンキンスのみとなっている。2024年シーズンを迎えるにあたり、パッカーズのスキルポジションの選手のほとんどはキャリア1年目から3年目の選手だ。

「俺はチームの中では年上の方だし、それを軽く考えているわけじゃない。このチームに来て若い選手たち、特にこのリーグの選手になって、リーグの顔や欠かせない存在になろうとしている若手レシーバーたちを目の当たりにして、彼らが次のレベルに進むのを後押しするために自分の経験とか視点とか、ちょっとしたことを教えている。それは俺がここに呼ばれた理由の1つだと思っている」

ジェイコブスは今でもレイダースを応援していることを認めている一方で、「もちろん、対戦するときはそうじゃない」と強調している。ちなみに、2024年にレイダースとパッカーズが対戦する予定はない。

ジェイコブスはパッカーズファンにはお馴染みの元チームメイト、ワイドレシーバー(WR)デイバント・アダムスとも非常に仲がいい。

パッカーズと契約したときに、ジェイコブスはアダムスに目玉の絵文字入りのメッセージを送信し、自分を追ってパッカーズに戻るつもりはあるのかと尋ねている。アダムスの周りに流れていたトレードのうわさを考慮すると、それは意図的な質問だった可能性がある。ジェイコブスがそれはすべて友人との遊びのやり取りだったと主張したとしても、だ。

「俺とデイバントの関係を理解してほしい。俺たちはよく冗談を言い合う。あることについて話してね。基本的に、目玉の絵文字を送ったのは、人生がどうしてこうなるんだっていう話をしていたからだ。彼がそこ(パッカーズ)を離れてレイダースに行って、俺がそこに行くっていう、そういう話をしていたんだ」

とにかく今はレイダース時代とはまったく異なるペースに対応するために学んでいるところだとジェイコブスは明かしている。そのおかげでフットボールに真っ向から集中できており、それは新しい環境で理想的なことだと考えているジェイコブスは、こう語った。

「とても静かで、平和だ。(グリーンベイについて)考えるときはいつも、フットボールのことだけを考えている。集中して、自分の技術を完ぺきなものにしようってね。今年にやることと、オフシーズンにやってきたことのすべてが報われることを願っている」

【RA】

© NFLJapan.com