新紙幣、4日から青森県内流通 3種類140億円分、県内金融機関が取り扱い準備

次々と青森銀行本店に運び込まれる新千円札のブロック=3日午前9時28分
次々と青森銀行本店に運び込まれる新1万円札のブロック=3日午前9時28分
発行が始まった新1万円札のブロック=3日午前8時53分、日銀青森支店

 新しい紙幣の発行が3日、始まった。日本銀行青森支店は同日、県内向けに1万円札、5千円札、千円札の3種類を計140億円分引き渡した。県内に本店がある各金融機関は、4日以降に始まる店頭での取り扱いに向け、準備を整えた。3日現在、自動販売機や精算機など、新紙幣にまだ対応していない機器が県内に一定数ある。機器を管理する会社は順次、更新を進める。

 新紙幣の発行は2004年以来20年ぶり。肖像画は1万円札に実業家の渋沢栄一、5千円札に教育家の津田梅子、千円札に微生物学者の北里柴三郎が描かれた。渋沢栄一は三本木原への渋沢農場開設に尽力し、北里柴三郎は十和田市に獣医学部キャンパスがある北里大学が学祖と仰ぐなど、青森県にもゆかりがある。

 日銀青森支店には、午前8時過ぎから現金搬送車が出入りし、金融機関や警備会社の職員が新紙幣のブロックを積み込んだ。益田清和支店長は「肖像画に採用された青森県ゆかりの人物の業績に思いをはせながら、親しみを持って新しい銀行券を使っていただければ」と話した。

 青森銀行は約47億円分の新紙幣を受け取り、4日から順次始まる店頭での流通に向け、支店への発送準備を行った。

 駐車場管理などを手がけるティーエム管理(青森市)は3日から、駐車場の精算機を新紙幣に対応させるためのプログラム改修に本格着手した。担当者は「プログラムの改修で済む新しい精算機は、思ったより早く更新が進みそう」と説明。部品の交換が必要な精算機は年内の改修完了を目指すとともに、精算機に新紙幣未対応を知らせるステッカーを貼って、利用者に周知を図る。

 県内の飲料自動販売機管理を行う盛岡市の企業によると、設置時期が新しい自販機は、新紙幣対応が可能な機器もあるという。同社は、新紙幣の流通状況をみながら、対応可能な機器への入れ替えを進める方針。

 従来の紙幣も、引き続き使用できる。県警生活安全企画課の櫻田道夫次長は「『旧紙幣は使えない』などという話は詐欺。おかしいなと思ったら、すぐに警察に相談してほしい」と注意を呼びかけている。

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