出光美術館・門司で展覧会「没後100年 富岡鉄斎―最後の文人」開催【北九州市門司区】

7月5日~8月18日の期間、出光美術館・門司(北九州市門司区東港町2-3)で展覧会「没後100年 富岡鉄斎―最後の文人」が開催されます。

富岡鉄斎(1836-1924)は、幕末から明治時代の激動する近代を生きた儒者です。日本が急速に西洋化を推し進める時代にありながら、東洋の古き文化に親しみ、万巻の書を読み、万里の路を行った鉄斎は、「最後の文人」ともいわれています。

儒者であり、独自の画境を切り拓いた画家「富岡鉄斎」

学者としての矜持をもって人生を歩んだ鉄斎は、一方で豪放磊落な筆致と繊細な色彩感覚をあわせ持つ、独自の画境を切り拓いた画家でもありました。没後100年を迎える今年、出光コレクションの鉄斎絵画の名品を通して、その唯一無二の魅力に迫ります。

(画像はイメージ<写真AC提供>)### 5つの章から作品の魅力に迫る

鉄斎は、天保7年に京都に生まれました。石門心学を家学とする富岡家で鉄斎は幼い時から学問に親しみ、多くの文人や画家たちに師事して研鑽を積みました。「第1章 若き日の鉄斎」では鉄斎が独自の画境を切り拓く過程の、30~40歳代の作品を中心に展示されています。

古今の書物や、日本全国への旅の中で、先賢たちのすがたを描き、その遺愛品を収集した鉄斎の姿を追う「第2章 先賢への憧れ」、古今の名墨を集め、筆墨の妙を知り尽くした鉄斎ならではの水墨画の名品にフォーカスを当てた「第3章 墨痕淋漓――鉄斎の水墨」、扇面画の名手としても知られる鉄斎の扇面画の魅力に触れる「第4章 扇面の美」など多様な観点から鉄斎の作品を取り上げています。

さらに「第5章 蓬莱仙境に遊ぶ」では、鉄斎がとりわけ好んだ画題が”神仙の住まう理想郷”であったことから、「蓬莱仙境図」をはじめとする、鮮烈な色彩と無類の墨調が生み出すユートピアの姿が紹介されます。

展覧会の詳細は、出光美術館 門司のホームページで見ることができます。

■開館時間/午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
■休館日/毎週月曜日(月曜日が祝日および振替休日の場合は開館)年末年始、展示替期間
■入館料/一般700円 高・大生500円 中学生以下無料

※2024年7月3日現在の情報です

(北九州ノコト編集部)

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