「何も始まってもいないし終わってもいない」熱海土石流発生から3年 復興道半ば、帰還進まず=静岡・熱海市

静岡県熱海市で28人が死亡した土石流災害から2024年7月3日で3年、被災地は鎮魂の祈りに包まれました。被災地の復興には“遅れ”が生じています。

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<滝澤悠希アナウンサー>
土のうが積まれた被災地。大量の土砂が流れ下った現場では、今も、復旧工事が続けられています。28人の尊い命が失われてから3年、被災地の復興は思うように進んでいません。

違法な盛り土が崩れ、被害が拡大したこの災害を遺族は“人災”と訴え、刑事告訴しました。警察は業者だけでなく静岡県や熱海市も含めて捜査を続けています。

午前9時から伊豆山小学校で行われた追悼式では、遺族などが祭壇に花を手向け犠牲者を悼みました。

遺族が直接、鈴木知事に思いを伝える場面もありました。

<土石流で娘を亡くした小磯洋子さん>
「娘です。44歳でした。4歳の子どもを残して死にました。原因究明はまだ何も始まってもいないし、終わってもいない」

<静岡県 鈴木康友知事>
「二度とこういうことが起こらないように再発防止に向けて努めていきたい」

発災時刻とされる午前10時28分には、被災地で地元住民などが黙とうを捧げました。

復興事業をめぐっては、行政による工事に必要な用地の買収が進んでおらず、河川や道路の整備完了は、「2026年度末まで」と、当初予定より2年遅れる見込みです。

<滝澤悠希アナウンサー>
避難した132世帯のうち、元の場所で生活を再建したのは、現時点で22世帯にとどまっていて、復興は進むのか、住民たちは戻ってくるのか、今も課題は山積しています。

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