去年の秋田豪雨の気圧配置と酷似 日本海の高い海面水温で雨量増か 来週にかけて長雨災害に警戒

太平洋高気圧の勢力が強まり、梅雨前線は日本海を北上しています。
あすの午前中にかけて、前線は東北地方を通過する見込みです。

前線に向かって断続的に暖かく湿った空気が流れ込むため、東北や北陸では、
あすの明け方にかけて滝のような非常に激しい雨の降る所があるでしょう。

○去年7月、秋田で豪雨をもたらした気圧配置と酷似

今夜の予想天気図と、去年7月15~16日に秋田県で豪雨をもたらした天気図がとても似ています。

前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、
前線近傍の東北や北陸で記録的な大雨をもたらす典型的な大雨パターンの気圧配置です。

さらに、来週にかけて、度々同じような気圧配置となる予想で、
東北や北陸を中心に警報級の大雨が続く恐れがあります。

今後、日本海側の雨の降り方に、十分気を配る必要があります。

○「線状降水帯」や「記録的短時間大雨情報」が出なくても

去年7月の秋田県の豪雨は、秋田市仁別で日降水量330.5ミリなど、
県内11地点で歴代1位の記録的な大雨となりました。

しかし、この豪雨では「線状降水帯」が発生したり、
「記録的短時間大雨情報」の情報が出たりはしませんでした。

広範囲で1時間に10~20ミリ程度の「やや強い雨」が
長時間継続したことで、総雨量が200~300ミリを越える大雨となり、
結果、秋田県内では6水系16河川が氾濫し、広範囲に深刻な浸水被害をもたらしました。

○日本海の高い「海面水温」にも注目

きのうの海面水温を見てみると、日本海では最大で平年より2℃ほど高く、
三陸沖~北海道南東方沖の海面水温は最大5℃ほど高くなっています。

この高い海面水温の上を低気圧や前線が通過すると、
暖かい海面から多量の水蒸気を吸い上げます。

通常の海面水温の時より、積乱雲が発達しやすくなり、雨量が増え、
より大雨をもたらす可能性が高くなります。

今後、同じ気圧配置が続くことによって、極端に多い雨量ではなくても、
長く降り続く雨による大雨災害が発生することも考えられます。

大雨が降る前から、ハザードマップで避難場所を確認したり、
避難用具の確認をしたり、水や食料品などの確保をしておくと良さそうです。

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