自分にはもっと多彩なプレーが可能と意気込むコルツWRピアース

インディアナポリス・コルツのアレク・ピアース【Paul Spinelli via AP】

インディアナポリス・コルツのワイドレシーバー(WR)アレク・ピアースは、昨シーズンのほとんどの日曜日を、実質上あてもなく流して走ることに費やしていた。

『Pro Football Focus(プロ・フットボール・フォーカス)』によると、2023年シーズンにピアースはNFL8位となる605回のルートを走ったものの、ターゲット65回、レシーブ32回、514ヤード、タッチダウン2回という成績にとどまったという。ピアースが何度フィールドを疾走しても、ボールは別の場所に行っていた。

2024年シーズンに突入するにあたって、ピアースは自分がディープスレットやディフェンダーを引きつける役割以上の実力を持っていることを証明しようとしている。

『ESPN』のスティーブン・ホルダーによれば、ピアースは「俺のゲームにはもっと多くのものがあると思う。それを披露するチャンスがほしいだけだ」と語ったという。

ピアースの成績が振るわなかった一因は、多くの試合でクオーターバック(QB)を務めていたのが強肩のアンソニー・リチャードソンではなく、ガードナー・ミンシューだったことにあるのは間違いないだろう。ミンシューは安定したゲームマネジャーで、ときおり大きなプレーを見せるものの、それは決してミンシューのスタイルではない。

ピアースは自分が一芸にだけ秀でた選手以上の存在であることをコーチングスタッフに証明しなければならないと分かっている。

ピアースは昨年のクオーターバックの状況について「それは確かに双方に言えることだ。練習で自分の実力を示さなければならないし、(コーチたちが)俺を信頼して、レップスの機会を与えてくれることも必要だ」とコメント。

ピアースが考慮すべきもう1つの事柄は、新人WRアドナイ・ミッチェルの存在だ。コルツがドラフト2巡目でテキサス大学出身のミッチェルを指名した瞬間から、ミッチェルはピアースよりも上位に位置づけられているように見える。マイケル・ピットマンとジョシュ・ダウンズがトップ2のターゲットであるため、ピアースとミッチェルはトレーニングキャンプ中に第3ターゲットの役割をめぐって競い合うことになる。

ピアースはキャンプで、より多くの仕事をこなせると“証明すること”が自分のすべきことだと指摘し、次のようにつけ加えた。

「満潮はすべての船を浮かび上がらせる。競争相手から学ぶことで自分も成長する。だから、その競争心こそが鍛えるべきものなんだ」

誰が最終的にトップに立つかはともかく、ピアースが3年目に成長し、ミッチェルがコルツの首脳陣の信じるようなプレーメーカーに最初からなることができれば、コルツオフェンスは昨シーズンよりもはるかに厚みがあり、ダイナミックなものになるはずだ。すべての要は、リチャードソンが健康な状態を維持できるかどうかだろう。

【KO】

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