産科病棟の戦場のような日々 生と死が隣り合わせの場所で懸命に働く人々 「助産師たちの夜が明ける」予告

2024年8月16日より劇場公開される、「愛について、ある土曜日の面会室」のレア・フェネール監督作「助産師たちの夜が明ける」の、予告編が公開された。

予告編は、新人の助産師ソフィアが産科病棟を訪れるところから始まる。その後に映し出されるのは、休むひまもない、戦場のような”過酷な現場”の現実。「命を救えないなら辞める」「問題は病院にある」「常に人手が足りない」という悲痛な叫びの中、生と死が隣り合わせの場所で懸命に働き続ける人々の姿が捉えられている。まるでドキュメンタリーのようなヒリヒリするリアリズムで、若い助産師たちの苦悩と成長、新たな生命が生まれる場所で交錯するさまざまな人生が描き出されている。

「助産師たちの夜が明ける」は、若い助産師たちが出産に立ち合い、突きつけられる現実に驚きながらも成長してゆく姿を、ドキュメンタリーのようなリアルなタッチで描き出した作品。5年間の研修を終えたルイーズとソフィアは、念願の助産師として働き始める。しかし、その期待に反するように、緊張感が大きくのしかかる。貧困、移民、死産など、さまざまな事情を抱えて産科病棟を訪れる人々。オーバーワークとストレスに押しつぶされそうになりながらも、新しい命に出会う日々の喜びが、助産師たちの結束を強めていく。

監督は、初監督作「愛について、ある土曜日の面会室」がヴェネチア国際映画祭に正式出品され、ルイ・デリュック賞などを受賞したレア・フェネール。実際の出産シーンを織り交ぜながら、観客がその場に立ち会っているかのような臨場感で本作を描いている。脚本執筆にあたっては、俳優と助産師がともに参加するワークショップを行い、俳優たちが助産師の話を基に即興でシーンを作っていくという手法をとった。

撮影には6つの病院が使われ、助産師たちが俳優に技術的指導や医療手順の説明、脇役まで務めるなど全面的な協力が得られた。出産シーンの映像は、実際にこれから出産する産婦と家族の許可を得て、「絶対に出産を妨げない」と助産師にも了解を得た上で撮影された。実際に俳優たちが、出産や赤ん坊の蘇生現場という難しい場面に立ち会うこともあったという。

物語にリアリティーを与えるため、出演する多くの俳優たちは、映画への出演経験の少ないフランス国立演劇アカデミーの学生たちを起用。「危険な関係」のNetflix版にも出演したエロイーズ・ジャンジョー(ルイーズ役)を筆頭に、ベテラン助産師役のベネを演じたミリアム・アケディウら、フランスの若手俳優たちが作品にリアリティを加えている。

【作品情報】
助産師たちの夜が明ける
2024年8月16日(金)~ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開
配給:パンドラ

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