日銀版需給ギャップ、1―3月期は-0.66% 16四半期連続のマイナス

Takahiko Wada

[東京 3日 ロイター] - 日銀は3日、1―3月期の需給ギャップの試算値がマイナス0.66%になったと発表した。16四半期連続のマイナスとなり、マイナス幅は2022年4―6月期以来の大きさ。一部自動車メーカーの生産・出荷停止の影響で、資本投入ギャップのマイナス幅が広がった。

内訳では、資本投入ギャップがマイナス0.93%で23年10―12月期のマイナス0.27%からマイナス幅が大きく拡大した。マイナス幅は21年7―9月期以来の大きさ。一方、労働需給のタイト化で労働投入ギャップはプラス0.26%と8四半期連続でプラスとなった。

日銀は10―12月期の需給ギャップについて、4月に公表したプラス0.02%からマイナス0.03%に下方修正した。ただ、ゼロ近傍であることに変わりはない。

需給ギャップは、日本経済の潜在的な供給力と実際の需要の差。国内総生産(GDP)から推計する内閣府に対し、日銀は生産設備の稼働率や失業率・労働参加率などから試算している。

日銀は需給ギャップについて、「展望リポート」の見通し期間終盤にかけて「プラス幅の緩やかな拡大が続くと予想される」との見方を示している。

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