【速報】旧優生保護法は「違憲」最高裁が仙台高裁判決を破棄 除斥期間の適用認めず

旧優生保護法の下で不妊手術を強いられたとして、宮城県内の女性などが国を訴えた裁判で、最高裁判所大法廷は3日午後、国に賠償を命じる判決を言い渡し、原告の勝訴が確定しました。
また、損害賠償請求権が消滅する除斥期間を理由に賠償を認めなかった仙台高裁の判決については、判決を破棄し審理を差し戻しました。

この裁判は、障がいなどを理由に本人の同意なしに不妊手術を受けさせることができるとした旧優生保護法の下、手術を強いられた人たちが損害賠償を求めて国を訴えたものです。
訴訟は全国で起こされ、宮城県内から上告した飯塚淳子さん(仮名・70代)と佐藤由美さん(仮名・60代)を含め、全国5つの高裁判決に対する上告が審理されました。
飯塚さんと佐藤さんは去年6月、仙台高裁の判決で旧優生保護法の違憲性は認められたものの、不法行為から20年が経過すると損害賠償請求権が消滅する民法の規定「除斥期間」を理由に、賠償については認められませんでした。
仙台以外の4つの高裁では国の賠償責任を認める判決が言い渡されていて、今回の判決は、最高裁が「除斥期間」の適用をどう判断するかが焦点となっていました。

最高裁は判決の中で「除斥期間の適用は信義則に反して権利の乱用にあたる。被害者が賠償請求するのは非常に難しかった」として、一連の訴訟を巡る除斥期間の適用は認めないとする統一判断を示しました。

旧優生保護法は1948年に施行され、1996年に改正されるまで全国でおよそ2万5千人が不妊手術を受けました。一連の訴訟は全国の地裁や高裁で審理が進められていて、今回の最高裁判決が一つの指針として影響を与えることが予想されています。

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