【独自】釣り糸からんだ“数十羽のハト” けが相次ぐ…「見るのがつらい」 釣り人の放置糸が原因か 兵庫・明石市

兵庫・明石市の大蔵海岸公園で2日、釣り糸がからまったハトを次々とカメラがとらえた。
けがをしているとみられるハトも複数羽見つかっており、有志によるハトの救出活動が行われた。
原因は、釣り糸や釣り針を放置していくという「釣り人のマナー違反」だった。

多くのハトがけが…いったいなぜ

兵庫・明石市の大蔵海岸公園で2日、数十羽のハトが集まる中で、足に糸がからんだハトが多く見つかった。
けがをしているのか、足を引きずって歩いている。

公園や周辺では、足などをけがしたハトが約30羽も見つかっているという。

有志でハトの救出活動をしていた人も、「痛々しいというか。見るのがつらいです」と話す。

けがのハトは2カ月前から

取材班が捜索を続けると、ハトの中には足が欠けていたり、足そのものがないハトもおり、糸がからんだハトを少なくとも3羽発見した。
中には片足を上げたままのハトや、うまく歩くことができていないハトもいた。

公園を訪れていた男性は、ハトの異常に気がつき、2カ月前からハトの救助活動をしているという。
男性は、「(糸がからんだハトは)見るかぎり30羽くらいいる感じなんです。もっといっぱいいるのかもしれないですけど」と話す。

男性の救助の様子を見ると、動けなくなったハトの足から直接糸を外して放している。
しかし、いくら助けても、次々と糸がからんだハトが現れるという。

原因はマナーを守らない釣り人

ハトの救助活動をしていた男性は、「この護岸が一番釣り人が多くて、釣り糸の放置などが一番多い場所です。ここのフェンスに釣り針・釣り糸がからまってたり、放置されているのとか、そういうものが多いですね。からまって何重にも(ハトに)からまっていくということですね」と原因を語った。

大蔵海岸公園は週末になると、多くの釣り人が集まる大人気の釣りスポットになっている。
しかし、マナーを守らない一部の釣り人が、釣り糸や釣り針を放置していくという。

実際、マナーを守って釣りをしていた人に取材をしてみると、「こういうの(釣り糸)が結構持って帰らない人いますよね。釣り糸持って、ほおって(捨てる)やったりとか、切れたりとかそういうの回収せず」と話す。

また、別のマナーを守る釣り人も「こういうのをね。ゴミ箱に捨ててくれる人がおったらあれですけど。針がついたまんま」と語っている。

餌につられて?ハトが網にからまったか

さらに放置された釣り糸などには、ハトが集まりやすい理由もあった。

マナーを守る釣り人は、「針があって餌がついている状態だと、ハトも食べに来るかもしれませんしね。エサもそのへんにポイって捨てちゃう人いるし、ぐちゃ~っと糸落ちてたら、からみやすい」と話す。

この場所で釣り人が多く使うのが、複数の針と糸がついた仕掛けで、一度からまると使えなくなり、マナーの悪い客が放置していくため、近づいてきたハトが、それにからまってしまうのだ。

公園の管理事務所は、看板でゴミを持ち帰るように呼びかけたり、巡回してマナーの悪い釣り人には注意するなどの対策を行っている。
釣り人のすぐ近くには、公園側が設置したゴミ袋があった。

マナーを守る釣り人は、「ちゃんとゴミ袋用意してくれてるんですけどね。定期的に取りに来ています。珍しいですよね」と語っている。

しかし対策をしても、ハトの被害は続いている。

ハトの救助活動をしていた男性は、「やはり釣り糸をちゃんと始末して持ち帰っていただく。釣り糸が出るでしょうから、掃除をしていく。それによって被害が少しでもなくなればと思います」と話している。
(「イット!」 7月2日放送より)

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