次は私! 佐久間朱莉が節目のツアー100試合目で目指す“初優勝”「3度の2位より、1度の1位がいい」

(撮影:福田文平)

<ミネベアミツミレディス 北海道新聞カップ 事前情報◇3日◇真駒内カントリークラブ 空沼コース(北海道)◇6667ヤード・パー72>

プロ4年目の佐久間朱莉がプロデビューから節目の100試合目を迎える。今季初の北海道開催。「食べ物がおいしくて、大好きな場所。海鮮料理、ジンギスカン、スープカレー…。全部おいしい」とテンションは自然と上がる。昨年から冠スポンサーが「ミネベアミツミ」となり、コースも変更された大会。プロアマ大会で最終調整を終えた21歳の目標は明確だ。

「100試合目なんですか。知りませんでした。記念の試合ですね。勝ちたいです」

2021年6月、コロナ禍で約8カ月延期された20年度の最終プロテストにトップ合格した。翌年は本格参戦1年目ながらメルセデス・ランキング(MR)33位で初シードを獲得し、昨季はMR25位と着実に成長。今季もここまでMR7位と足取りは快調だが、順風満帆なプロ人生に唯一欠けている重要なピースがある。昨季は「リシャール・ミル ヨネックスレディス」ではプレーオフで敗れ、さらに3位も3度あった。今季はすでに2位が3度、最終日を首位で迎えた試合も「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」など3度ある。

「西郷さんは初優勝まで2位が7度もある。私はまだその半分。一発屋で終わるよりも、安定した成績が残せた方がいい」。1打差で泣いた3週前の「ニチレイレディス」では、1学年上で同じジャンボ尾崎門下の西郷真央を引き合いに出し、常に上位で戦っていることに意義を求めた。だが、本音は違う。前週の「資生堂レディスオープン」は同い年で仲良しの桑木志帆が初優勝。佐久間と同じように届きそうで届かなかった頂(いただき)に先に上った。

次は自分の番。「同期でも志帆は一番仲がいい選手。去年惜しくも勝てなかった大会でリベンジもして、すごいと思うし、本当にうれしかった。ちょっと置いていかれたかなとは思うけど、たくさん刺激をもらったので、今週は私が頑張りたいです。2位になったらやっぱり1位になりたい。3度の2位より、1度の1位がいいです」。プロデビュー戦だった21年7月の「大東建託・いい部屋ネットレディス」も同じ北海道で、コースは今回の「真駒内カントリークラブ」と道路を一つ挟んだだけ。目と鼻の先ほどしか離れていない。

21年6月のプロテスト合格した93期生では最初の100試合到達。「デビュー戦と100試合目の会場がこんなに近いなんて、不思議な感じ。めぐり合わせですね」。縁のある北の大地で迎えるメモリアルゲーム。グッドルーザーを返上するのに、これ以上の舞台はない。(文・臼杵孝志)

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