「同じウェアじゃないほうがいいよな…」 全米シニアまさかの“月曜決着”で藤田寛之が悩んだこと

プレーオフを戦った時の藤田寛之。どうやらウェアに秘密があるようで…(提供:USGA)

少しの疲労感と大きな充実感とともに、藤田寛之が「全米シニア」から帰国した。単独トップを快走していた日曜日は悪天候のために8ホールを残してサスペンデッドとなり、シニア世界一の称号をかけた戦いは月曜決着までもつれ込んだ。5日間に及ぶ激闘はプレーオフのすえ2位で終えたが、帰国後の会見ではその裏で起きた“あるエピソード”が明かされた。

本戦用として用意していたウェアは4着。そして「びっくりしたのは4日目がなくなったこと」というように、試合は1日延長された。さて、ウエアをどうするか。「同じものを着ていいのかな、違うもののほうがいいのかな…」。藤田は悩んだ。

練習日に着用していたウエアは、実はいまのシーズンのモノではなく、そのため本戦4日間のものを“着まわす”しかなかった。3日目と順延になった4日目はスティーブ・ストリッカー(米国)とリチャード・グリーン(オーストラリア)との3サムで、5日目ももちろんこの3人が同組。「また同じ組だから、同じウェアじゃないほうがいいよな…」と考え、結局は黒を基調として柄の入った2日目のウェアを着ることにした。帰宅するやいなや自ら洗濯。「ドライヤーで乾かして」と準備したことを明かす。

ちなみにプレーオフで全米制覇をかけて戦ったリチャード・ブランド(イングランド)はというと、「同じウェアを着ていましたね(笑)」。4日目も5日目も同じものを着用していたと笑う。主戦場にするLIVゴルフの『クリークスGC』のロゴが入った白のウェアでプレーしていた。

この日、白いTシャツ姿で帰国したが、サプライズで行われた関係者や報道陣によるお出迎えののち、“正式”な取材の場が設けられると契約するパーリーゲイツのウェアに着替え登場した。その青いモックネックは単独首位を快走していた4日目に着用していたもの。『4日目に戻りたいという意味もある?』と投げかけられると、「いやいや(笑)。ちょうど洗濯していたので、いまはこれを」と笑った。(文・笠井あかり)

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