Daren Butler
[イスタンブール 3日 ロイター] - トルコ統計局が3日発表した6月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年比、前月比ともに予想以上に減速した。
前年比上昇率は71.60%、前月比では1.64%だった。
当局者やアナリストは、1年にわたる金融引き締めを受け、年内のインフレ率は徐々に低下すると予測。エコノミストは年末までに42.2%に達すると見ている。
5月は前年比が75.45%上昇と2022年11月以来の高い伸びだった。前月比は3.37%上昇。
エコノミストは6月について前年比72.6%上昇、前月比2.22%上昇に鈍化すると予想していた。
シムシェキ財務相はXに「ディスインフレプロセスが始まった」と投稿。示唆されているトレンドは政府の年末目標と合致するとし、ディスインフレは金融の安定や持続可能な経常赤字などでの成果が反映されたものとの認識を示した。
教育、住宅、飲食店価格は高止まりした。
指標発表を受け、通貨リラは対ドルで0.1%安。
Conotoxiaフィンテックの市場アナリスト、バルトシュ・サビツキ氏は今回の指標について、中央銀行を安心させるものだと指摘。「とはいえ、長年のインフレ問題の根絶がさらに進むかどうかは疑問が残る」とし、27年までにインフレ率が1桁に回帰する可能性は「かなり低い」と述べた。
「インフレ問題の解決には時間と規律が必要だ。数十年にわたる金融の超緩和政策と過度な拡張的財政政策は深刻なマクロ経済の不均衡をもたらした」という。
中銀の年末インフレ率見通しは38%となっている。
6月の生産者物価指数(PPI)は前年比50.09%上昇、前月比1.38%上昇だった。