渋沢栄一ら3人とも “広島と縁” 新紙幣の取り扱い始まる 扇形に開いた銀行員の反応は?

20年ぶりに発行された「新しい紙幣」の取り扱いが、広島でも始まりました。最初に手にした人の反応は…。初日の動きを追いました。

日本銀行広島支店では、厳重な警備のもと、朝早くから県内の金融機関に新紙幣が引き渡されました。3日一日で取り扱う金額はおよそ456億円を予定しているということです。

日本銀行 広島支店 中村武史 支店長
「新券の円滑な流通に向け、万全を期してまいります」

もみじ銀行の担当者
「お待たせしました。ただいまより新紙幣の取り扱いを始めます」

偽造防止のため最新の技術が取り入れられた新紙幣は、午後から県内の一部の金融機関で扱われています。

新紙幣に両替した人
「全然慣れないなと思います。このホログラムが世界最高峰の技術で作られていることを(小学生の)息子が熱く語っていました。確かに3Dだなと」

飲食店経営者
「テレビでやってた。顔の角度が変わるのが、とても楽しみでした。私も女性なので津田梅子がんばれと!」

新紙幣ではなく現行紙幣で両替した人
「みんなの給料です。不便じゃないですか。今は対応できないとか、新500円の時みたいに使える・使えないがあるので」

広島銀行 銀行員
「厚いというか、かたいイメージでこの今までになかった凹凸が両サイドにあるので不思議な感じです。この厚みや固さが違うので、開きづらい感じです」

坂本可織 記者
「アストラムライン県庁前駅に来ています。これからこの新紙幣を使っていきたいと思います。(購入して)無事、切符を買うことができました」

新紙幣に採用された3人、実は広島とゆかりがあるんです。1万円札は「近代日本経済の父」渋沢栄一、1897年に中国電力の前身、広島水力電気の設立を支援しました。

5千円札は「女子教育の先駆者」津田梅子。広島女学院の創設者・ナニー・ゲーンス氏と交流があったといいます。

千円札は、「近代日本医学の父」北里柴三郎。1908年、厳島神社を訪れた際に撮影された写真です。隣りは北里の恩師、世界的な細菌学者のロベルト・コッホ博士です。

日本銀行は、新紙幣発行後も今の紙幣は引き続き使えるため、安心してほしいと呼びかけています。

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青山高治 キャスター
「さっそく新紙幣をそろえました」

「偽造防止のため『すかし』をはじめ多くの技術が使われているそうです。こちらが津田梅子のすかしです」

「最大の特徴はこちら、お札を傾けると肖像が立体的に回転します。3Dホログラムという技術で、お札に使われるのは世界初です」

「また、指で触ってお札の種類が識別できるようインクを盛り上げる印刷で紙幣に凹凸を作り、種類ごとに異なる位置に『識別マーク』を配置しています。1万円札は左右、5千円札は上下、千円札は右上と左下に配置されています。まだ、自販機など対応できていないケースもあります。これまでの紙幣も引き続き使用できるのでご安心ください」

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