藤田寛之の活躍にベテランたちは何を思う… 谷口徹、宮本勝昌を直撃してみた

谷口徹は激闘のすえ2位になった藤田寛之に対する得意の“ジョーク”も冴えわたる(撮影:上山敬太)

<日本プロゴルフ選手権 事前情報◇3日◇富士カントリー可児クラブ 志野コース(岐阜県)◇7164ヤード・パー71、7201ヤード・パー72>

今週は国内男子ツアーの今季メジャー第2戦目が行われるが、開幕を前に藤田寛之が「全米シニアオープン」でメジャー制覇へあと一歩まで迫る活躍を見せ、大きなニュースとなった。同世代のライバル谷口徹や、同じ試合に出場していた宮本勝昌はこの活躍をどう見たのか。二人に直撃してみた。

本格的な夏の到来を感じさせるほど蒸し暑くなった練習日。谷口は「しんどい、暑い」と顔をしかめるほど。30度を優に超える酷暑のラウンドで体力を消耗した様子。一呼吸おいて「ブラインドすぎてあまりイメージが出ない」とコースの印象を述べる。

「シニアには厳しいです(笑)」と自虐的なコメントも飛び出すが、同世代のライバル藤田がメジャーで善戦。これに対し「どうして急にそんなによくなったんかな。びっくりした」と目を丸くする。その藤田はきょう羽田空港に到着。練習ラウンドはせず、ぶっつけ本番で大会初日に挑む強行軍だ。これについて谷口は「フラットなコースからアップダウンがあってランが出ないコース。湿度も高いし、疲れているのに大丈夫かな」と気遣いつつも、「こっちの賞金の2倍稼いでるんだから、休んどけ(笑)」とジョークも飛ばす。2012年には国内賞金王争いも演じた。かねて“舌戦”を繰り広げたこともあるが、それは今でも健在といったところか。

時には自虐的、毒舌コメントも飛び出す谷口だが、練習ラウンドではうれしい出来事があった。松田一将、小林正則、重永亜斗夢との練習ラウンドで「小林に勝って、びっくりしたんですよ」と186センチの長身・小林をオーバードライブすることもあり破顔。「亜斗夢は飛んでなかったけど(笑)」とオチも忘れない。ちなみにドライバーはピンの『G430 LST』と低スピンモデルを使用。以前は同社の『G430 MAX』を使用していたが「今はこっちが良くなってる」と56歳の飛距離を支えている。

同じく全米シニアに出場し、38位の成績を残した宮本は藤田の活躍に勇気づけられた様子。「藤田さんが頑張ってくれたから、ナイスプレーしたら優勝争いができるんだなっていうのは感じました」。また、「フェアウェイキープ率が高くて、パーオン率も高くて、平均パットも上位だった」と藤田の総合力にもうなずいた。

ただ、宮本も6月に行われた国内シニアツアーの「スターツシニア」で6打差をつける圧勝劇を演じており、「目の情報と脳と動きが合致している」とゴルフの状態はいい。「久しぶりのぶっつけ」というほど帰国後すぐということもあり練習ラウンドはスキップし、まずはしっかり休息を優先させた。

藤田が届けたビッグニュースに続くことができるか? 初開催の富士カントリー可児クラブで見せるベテランのプレーにもぜひ注目したい。(文・齊藤啓介)

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