負債は合計約1億600万円 ペーパーレス化で事務用機器の受注が減少 ナンシン事務機など2社が事業停止し自己破産申請へ

民間の信用調査機関「帝国データバンク」によりますと、長野県岡谷市の(株)ナンシン事務機と関係会社の南信ファイリング(株)が7月1日付で事業を停止し自己破産申請の準備に入ったことがわかりました。

ナンシン事務機は1948(昭和23)年創業で1958年に法人改組され、地元大手企業などを顧客として事務用機器の卸を主体に修理やメンテナンスを手がけていました。

2001年5月期には年売上高で約1億7200万円を計上していたということです。

しかし、顧客の海外シフトに加え、ペーパーレスの動きが加速し受注が減少したうえ、マンパワー不足もあって2021年5月頃には事務用機器の卸から撤退。南信ファイリングへの不動産賃貸業に業態を転換していました。

南信ファイリングは1969(昭和44)年にナンシン事務機のファイリング製品販売部門を分離して設立され、工場などのパーティションや作業台の卸と設置工事を手がけ、2004年5月期には約2億3000万円を計上していました。

しかしナンシン事務機同様に顧客の海外シフトなどから受注は減少し、2023年5月期の年売上高は約4300万円にとどまり収益も悪化、財務面も債務超過となって資金繰りはひっ迫していたうえ、代表が体調を崩したこともあり事業継続を断念したということです。

負債はナンシン事務機が約3200万円、南信ファイリングが約7400万円で、2社合計で約1億600万円にのぼると見られています。

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