「これじゃない、これじゃないとやっていた」葛藤の末に復帰への道を進み始めたソフトバンクの20歳左腕

シート打撃に登板した木村大

ソフトバンクの木村大成投手(20)が3日、福岡県筑後市のファーム施設でシート打撃に登板した。

昨夏の左肘の肉離れから回復して3月に復帰したが、本来の投球ができなかったこともあり、約1カ月間のフォーム修正に取り組んできた。この日は2度目の登板で、打者5人に対して計31球を投げ、安打性の当たりは2本だった。最速は145キロ。「今シーズンで一番よかった。打者を差し込めることができた」と笑顔を見せた。

育成3年目の加藤晴空捕手(21)、ドラフト7位ルーキーの藤田悠太郎捕手(19)=福岡大大濠高=や育成ドラフト4位ルーキーの中澤恒貴内野手(19)=青森・八戸学院光星高=、育成2年目のホセ・オスーナ外野手(17)、育成新外国人のデービッド・アルモンテ内野手(16)の若手5人と対戦。真っすぐ、スライダー、フォーク、チェンジアップを投げ込み「インコースに真っすぐが投げ切れていた。詰まっている打球が結構あってよかった」と振り返った。

北海高(北海道)からドラフト3位で入団し、今季が3年目。最速150キロの真っすぐとキレのあるスライダーが武器で、三振が取れる左腕として期待されている。2年目の昨夏、試合中に左肘の肉離れを起こした。約半年間のリハビリ生活。3月に復帰し、5月4日の中日戦にはウエスタン・リーグで1イニング登板したが、試合で投げるようになった頃から、本来の投球ができないもどかしさがあったという。「(フォームが)バラバラだった。これじゃない、これじゃないとずっとやっていた」。投げられない期間が長く、体重が4キロ減った体はずれが生じていた。

5月の終わりから約1カ月間、川越英隆4軍投手コーチとともに、フォームを見直してきた。これまでは左腕の位置を気にしながら投げていたが「体幹や重心を意識するようになったら(腕は)後からついてくるようになった」。この日の投球を見守った川越コーチも「全体的によくなってきている。少し光が見えてきた」とうなずいた。

6、7日の4軍の宮崎サンシャインズ戦(タマスタ筑後)で登板予定。「今日の投球は自信になった」という左腕は、マウンドで躍動する姿を描いている。

(浜口妙華)

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