マカオの2024年5月貨幣・金融統計公表…不良債権比率が4.4%に、上昇続く

マカオ金融管理局ビル(資料)=2020年7月本紙撮影

 マカオ政府金融管理局は7月3日、今年(2024年)5月の貨幣・金融統計を公表。内容のサマリーは下記の通り。

【マネーサプライ】
 流通貨幣が前月から0.9%、通知預金が4.0%のそれぞれ下落となり、M1は3.1%減。また、準通貨負債は1.8%増加。M1及び準貨幣負債を含む広義貨幣供給量M2は1.4%増、金額は7561億マカオパタカ(日本円換算:約15兆2452億円)に。前年同月との比較では、M1が10.1%下落、M2が6.0%上昇。M2に占める通貨別の比率はマカオパタカが33.1%、香港ドルが45.2%、人民元が6.9%、米ドルが13.4%。

【預金】
 マカオ居民(マカオ居留権保有者)による預金残高が前月から1.4%増の7351億マカオパタカ(約14兆8218億円)、非居民による預金残高が0.9%増の3303億マカオパタカ(約6兆6598億円)、公共部門の銀行システムへの預金残高が0.2%増の2013億マカオパタカ(約4兆0558億円)となり、これらを総合して計算した銀行システムの預金残高は1.1%増の1兆2667億マカオパタカ(約25兆5405億円)で2ヶ月連続増。このうち、マカオパタカ、香港ドル、人民元、米ドルの占める割合はそれぞれ19.5%、44.4%、8.3%、26.0%。

【融資】
 地元民間部門への融資は前月から0.5%増の5350億マカオパタカ(約10兆7872億円)。対外民間部門への融資は3.8%増の5696億マカオパタカ(約11兆4848億円)。民間部門へ融資額は合計で2.2%増の1兆1046億マカオパタカ(約22兆2721億円)となり、マカオパタカ、香港ドル、人民元、米ドルの比率はそれぞれ20.3%、43.5%、14.2%、18.9%。

【預貸率/不良債権比率】
 銀行のマカオ居民に対する預貸率は今年5月末時点で前月末から0.4ポイント下落の57.1%。非マカオ居民含む総体預貸率は1.0ポイント上昇の87.2%。1ヶ月及び3ヶ月ベース計算による流動資産対負債比率はそれぞれ68.4%、59.8%水準。このほか、不良債権比率は0.1ポイント上昇の4.4%に。このところ不良債権比率は上昇が続いている。

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