土曜ドラマ『街並み照らすヤツら』（日本テレビ系）が、6月29日ついに最終回を迎えた。本作は、シャッター商店街にある潰れかけのケーキ店の店主が、大切な店や家族を守るため、悪事に手を染めてしまう事から始まる怒涛（どとう）のヒューマンエンターテイメント。
（※以下、ネタバレを含みます）
裁判の判決を明日に控えている保釈中の正義（森本慎太郎）は、彩（森川葵）と一緒にケーキを作り、商店会のみんなに振る舞っていた。次々に集まる街の人たちで、ケーキ店の前はパーティー状態。そこには街を出て行った時計屋の店主・向井（竹財輝之助）の姿もあった。訪れていた刑事の澤本（吉川愛）は、彩に「（正義を）今も好きです」と伝えると、正義からケーキを受け取り、恥ずかしそうにその場を去った。
しかし、和やかなムードに包まれるケーキ店の前で、商店街会長･大村（船越英一郎）と息子の光一（伊藤健太郎）が鉢合わせるとムードが一変。光一は「俺はこの街の人間、全員嫌いだね」と言い放つと、この商店街はなくなると、みんなの前で宣告した。
店主たちが意気消沈する中、正義は光一のために作った巨大なケーキを運んでくる。ショッピングモールの形をしたケーキで、1階はアーケード通りのようなデザインになっていた。作ったケーキを手本にして“アーケードを残してショッピングモールを作れないか”と、光一に提案する正義。しかし思いは届かず、光一は「こんな通りを残すつもりはないよ。ここをぶっ潰したいの」と、正義が作ったケーキをたたき壊すのだった。「こんなもん作って、何が楽しいんだよ。こんなもんなくなったって、誰も困んないだろ」そう嘆く光一に、正義は「ケーキが食べられて、おいしいって思えたら、今、すごく平和ってことじゃない？平和が実感できる仕事って、すごくいい仕事だよ」と言葉をなげかける。
この正義のセリフにSNSでは「何にでも通ずる、とても素敵な言葉」「平和が実感できる仕事っていいな」「正義さんみたいに思えたらこの世界は平和になるんじゃないかな」と、共感の声が多くあがっていた。
そしてついに、正義に判決の日がやってきた。結果は、懲役3年の実刑判決――。
裁判が終わった後、正義が裁判所の廊下を歩いていると、病院で正義に悪知恵を吹き込んだ白鳥（竹中直人）とすれ違う。そこで白鳥から「あんたは、この件で学んだことはある？」と聞かれた正義は“あると思う”と答えるが、白鳥は「そりゃ、錯覚だよ！」と鼻で笑い去って行った。
この謎めいた言葉に、SNSでは「どういう意味だったんだ…？」「色々な意味を含んでいるような恐ろしい言葉だった」と混乱する声が上がる一方、「正義はいい人だけど甘い」「正義はこれからどう変われるのか」と、この言葉をきっかけに現実の厳しさを考える声も上がっていた。
その後、ショッピングモールの建設計画は一部変更され、1階部分に虹色ロード商店街が残されることになった。商店街の人々も元の場所のままテナントに入れることになったが、家賃は2倍になるため、やがて出ていくことになるかもしれない。しかし、店主たちはやる気に満ちていた。そこには、正義に責任をなすり付けようとした事を気にして孤立していたが「みんな気にしてないよ」と正義に背中を押され、立ち直った荒木（浜野謙太）の姿も。しかし、正義の店だけは開発から漏れてしまった。
その理由について語るナレーションで、新事実が発覚する…「店の近くにある“私”を移動させられなかったからだ」。“私”とは…？ 実は、全編を通して物語を伝えていたその声は、店の前にいたお地蔵さんだったのだ。
最後のサプライズ演出にSNSでは「ナレーション、お地蔵さまだったんだー！ 最後の最後ですごくビックリ！」「お地蔵さんだけが客観的な事実を“みていた”すごいヒューマンドラマだった」と、驚きの声とともに、お地蔵さんが街を守ってくれたと納得する声も多く上がった。
彩は、お地蔵さんに見守られながらも、正義の「ケーキが食べられて、おいしいって思えたら、今、すごく平和ってことじゃない？平和が実感できる仕事って、すごくいい仕事だよ」という言葉を胸に、元気にケーキ店『恋の実』を営業している。ラストシーンでは、お地蔵さんが「これが、私が見た事のすべてだ」と語り、ドラマは幕を閉じた。
最終回放送後、SNSでは「色々カオスなんだけどどこかリアルでなぜか涙出てくる最高のドラマだった」とカオスな状態を楽しんだという声や、「3年後の商店街が気になる」「竹野夫婦が授業参観に行く姿を見たい」など未来を想像する声とともに、「商店街のみんなにも会えないのロス」「終わって数分しか経って無いけどもう竹野夫婦ロス起きてる」「あーーー終わっちゃった寂しい正義ロス」と、正義や彩はもちろん、ドラマや街の人々、それぞれにロスを感じる視聴者が続出している。
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