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7月3日、きょうから新紙幣が発行されました。
キャッシュレス決済が広がるなかでの刷新、対応が分かれたのが小売りや公共交通の現場です。新しいお札は券売機で使えるのか、スーパー、バス、モノレール、そして沖縄そばの店まで、各業界の対応を取材しました。
▽日銀那覇支店・小島亮太支店長 「本日新しい銀行券の発行開始日を迎えました。誰にでもわかりやすく使いやすいよう、ユニバーサルデザインを意識してデザインされています」
20年ぶりの新紙幣。新たなデザインが採用され、千円札は、現在の野口英世から、近代日本医学の基礎を築いた熊本県出身の細菌学者、北里柴三郎に。
5千円札は樋口一葉から、津田塾大学を創立した女子教育家、東京都出身の津田梅子。
福沢諭吉から40年ぶりの刷新となった1万円札には、日本の銀行の設立や、500以上の企業の運営にかかわったとされる現代日本経済の父、埼玉県出身の渋沢栄一がデザインされています。
精巧なすかしや角度によって見え方が変わる3Dホログラムなど、偽造防止の最新技術が施されたことによるセキュリティ強化や、経済の活性化も期待されています。
3日朝、日本銀行那覇支店では、県内の各金融機関へ新紙幣が引き渡され、沖縄でも流通が始まりました。
▽手にした人
ーおいくらぐらい?
「2万円分ですね」「一万円、五千円で、千円札5枚です」「電子マネーとかを普段使っていますが、こういう現金も使ってみようかなと」
▽手にした人 「明日来られるか分からないし、記念だから。1枚ずつ置いといてあとは使う」
一方、キャッシュレス化が進んでいる現在社会。街中でも様々な声が聞かれました。
▽男の子2人組 「新紙幣でもお金の価値は同じじゃないですか。だから別に欲しいとかはないですね」「まだ新500円玉とか使えないものがあるので、そこらへんは不便だなと思います。直してほしい」
▽スーパーに買い物に来た女性 「わざわざ現金、っていうところが。今お医者さんも結構クレジットカードとかでいけるから、たまに学校で子供の集金とかで「現金」となったときに、細かいお札がない、みたいな慌てる感じ」
▽男性 「慣れるためにも積極的に使いたいとは思います」
県内の各業界も対応に追われています。
日ごろから現金の使用頻度が高いスーパーでは、サンエーやイオン琉球、かねひで、ユニオン、リウボウなど各社が新紙幣対応のレジを導入。
地元客をはじめ、観光客、インバウンドなど、様々な消費者が訪れるサンエー那覇メインプレイスでは、27台のレジ全てで新紙幣対応機を導入し、利便性の向上を図っています。
バス会社ではー
県民の交通手段を支えるバス会社では対応が分かれています。
県内に145台のバスを保有する沖縄バスでは、いち早く新紙幣に対応。数千万円に上る投資で、9割ほどのバスですでに対応機に交換しています。
▽沖縄バス 米須武夫さん 「1日に10台とか そんなペースでやっています。早い段階で、対応できる機械を導入することによってお客様によりよいサービスが提供できているのかなと思います」
那覇バス・琉球バスでは、新紙幣に対応した機材の導入を見合わせ、ホームページで、旧札の使用を呼び掛けています。
沖縄都市モノレールでは各駅に1つずつ、新紙幣対応の券売機を設置。県外から訪れた観光客にもアピールしています。
新紙幣への対応に頭を悩ませているのが、券売機を使用している沖縄そば店。
▽我部祖河食堂 田畑智次さん 「どうしようかなと。悩んでいるところです。(しばらくは)大量に旧紙幣を用意して両替して、ということになると思います。色々な補助金とかがあればいいなと思っているんですが、仕方がないなと払う感じではありますね」
納期までに3か月ほどの時間がかかる点や、1台で100万円以上コストを考え、このタイミングでの導入を見送りました。
▽日銀那覇支店・小島亮太支店長 「事業所の方から、改札への対応が間に合わないとか、対応コストが重いといった声が聞かれていることは承知しています。日本銀行としましては、銀行券が円滑に流通していくよう、今後も万全を期してまいります」
キャッシュレス化の波が進むなか、20年ぶりの刷新となった新紙幣。私たちの生活になじむまでには、しばらく時間がかかるかもしれません。
【取材MEMO】
発行開始の7月3日に日本銀行那覇支店で準備した新紙幣は134億円分ほど。県内の金融機関でも4日には各支店に新札が届き、両替が可能になるということです。また、これまでの旧紙幣については今後も変わらず使えるので安心してほしいと呼びかけていました。(片野達朗)