実害が起きてからでは遅い…韓国で深刻化するK-POPアイドルへの脅迫問題、厳罰求める声も

NewJeansに対する凶器暴動の脅迫文が登場し、衝撃を与えた。

これに対し、所属事務所はより強化された安全対策を準備し、警察の捜査に積極的に協力するなど、徹底した対応に乗り出すことにした。

去る6月24日、韓国のとあるオンラインコミュニティには、「NewJeansのコンサートが始まれば、使おうと思って買った」というタイトルの文章が掲載された。

投稿者はナイフを持った写真を載せ、「NewJeansが車から降りたら一人ずつ刺すつもりだ」と綴った。NewJeansのメンバーに対する傷害予告をしたわけだ。

この投稿はすぐに削除されたが、各種コミュニティやSNSなどで拡散され、波紋を起こした。

投稿に添付されたナイフの写真は、実際に作成者が撮影したものではなく、インターネット上のショッピングモールの販売ページに掲載されたものを盗用したことが確認された。

ただ、万が一の状況は排除できないだけに、ファンはオンライン民願処理システム「国民申聞鼓」に申告し、所属事務所に通報するなど、素早い対応に出た。

脅迫文が掲載された当時、NewJeansは6月26日と27日に日本の東京ドームでファンミーティング「Bunnies Camp2024 Tokyo Dome」を控えていた状況だった。

所属事務所のADORは翌日に声明を発表し、「現在、当社は日本公演の企画会社と強化された安全対策を準備中だ。これと同時に、韓国では警察が捜査中であり、当社は捜査に積極的に協力している」とし、「アーティストが安全な活動ができるよう万全を期している」と、警戒を強化している状況を知らせた。

(写真提供=OSEN)NewJeans

このような脅迫文はNewJeansが初めてではない。

5月にはIVEのウォニョンの身辺を脅かす投稿が掲載され、警察が乗り出した。脅迫文には犯行の日時まで具体的に明示されていた。

これに対し、所属事務所のSTARSHIPエンターテインメントは声明を発表し、警察が脅迫文作成者に対する捜査に着手したことを知らせた。

STARSHIPエンターテインメントは「当社は迅速な捜査とアーティストに対する身辺保護をお願いし、犯人の身元が明らかになり次第、法的措置を取る予定だ。所属アーティストの身辺保護のため、専門の警護人員を強化し、アーティストの移動経路、社屋および宿舎のセキュリティも再点検している」と強調した。

このほか、昨年にはaespaのウィンターを凶器で殺害しようという内容の脅迫文が公開され、衝撃を与えた。

これを見たファンたちはすぐに警察に通報し、aespaメンバーたちはより強化された警備のなかで出国した。当時、仁川国際空港では特殊警備要員まで投入されたという。

所属事務所のSMエンターテインメントは、「投稿者に対する告訴状を警察に提出し、迅速な捜査協力を要請した。警護人員を増やし、aespaの出国時も警護人員および空港警察の協力で安全に出国した。警察が社屋を訪問し、保安および安全状態を確認した」と説明した。

それだけでなく、同時期には「HYBE社屋の前で刃物を使う。パン・シヒョクが必ずいることを願う」という投稿が広がり、HYBE社屋の正門が規制されたり、SMエンターテインメントの役職員9人を殺害するという予告文を載せた20代男性が拘束されたりもした。男は「10年近く好きだったSMエンターテインメント所属のガールズグループメンバーが、自分のファン心を受け入れてくれず、腹立ちまぎれに該当文を作成した」と警察に供述したという。

(写真提供=OSEN)ウィンター(左)、ウォニョン

幸いにも、これらの脅迫文が実行に移されることはなかった。

一部では、そもそも関心を引くためのいたずらだという意見も殺到した。 それでも安易に見過ごすことができないのは、過去に実際の被害事例があるからだ。

K-POP第1世代の代表的アイドルグループgod.のパク・ジュンヒョン、ソン・ホヨンは先月、YouTubeチャンネル「uhmg」のコンテンツ『ジェジュンの友達』に出演した際、食事もろくに取れないほどに大変だったデビュー当初の状況を伝えた。

「デビュー当初はファンがお米とおかずをプレゼントしてくれたそうだが、米はまだ良いが、おかずのような場合は怖いときがあるのではないか」という問いに、パク・ジュンヒョンは「私たちはそのようなことは気にしない」としながらも、「当時は飲み物が開いているか確認もせずに飲んだ。ところが、ユン・ゲサンの母親がテレビ局に遊びに来て飲み物を飲んだ際、誰かがその飲み物に洗剤を入れた」と、アンチファンによるテロ被害経験に言及し、衝撃を与えた。

(画像=『uhmg』)パク・ジュンヒョン

また、BabyV.O.X出身のカン・ミヨンはE Channelのバラエティ番組『遊んでいたお姉さん2』(原題)で、「アンチファンのせいで色々なことを経験してから敏感になり、対人恐怖症になった。当時は制服だけ見てもトラウマのように恐ろしかった。アンチファンのせいでメンバーたちに被害が多く、本当に申し訳なかった」とし、「(ユン・)ウネが水鉄砲に当たって目を怪我したことがあったり、投げられた卵がほかのメンバーに当たったりもした」と打ち明けた。

ほかにも、元CHAKRAの女優チョン・リョウォンは刃がついたプレゼントを受け取り、手に傷を負ったこともある。

芸能人だけでなく、韓国では昨年から不特定多数の市民を対象にした凶器暴動事件が猛威を振るっている。以来、オンラインコミュニティにはあたかも“流行”のように凶器暴動を予告する文があふれ、市民を恐怖に震えさせている状況だ。

このような現象は芸能界にまで広がり、自分が嫌う芸能人を狙った脅迫文を載せる人が多くなった。

いたずらであろうとなかろうと、その意図は重要ではない。特定の人物を名指しした以上、その文は実行するかしないかに関係なく、脅迫に該当する。

現状をそのままにしておけば、より多くの人々が身に危険を感じ、恐怖に震えなければならないだろう。これを防ぐためにも、徹底した調査と強力な処罰が行われなければならないという声が高まっている。

(記事提供=OSEN)

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