荒木遼太郎、苦難を乗り越えてパリ五輪代表選出「人一倍走って、責任をもってプレーしたい」

パリオリンピック2024(パリ五輪)に臨む男子サッカーのU-23日本代表に選出されたFC東京所属MF荒木遼太郎が、3日にJリーグ主催の記者会見に登壇。会見後にメディア取材に応じた。

2020年に東福岡高校から鹿島へ加入した荒木は、高卒1年目からリーグ戦26試合に出場すると、2年目の2021シーズンにはJリーグ史上2人目となる10代でのリーグ戦2桁得点を記録し、ベストヤングプレーヤー賞を受賞。しかし、順調にステップアップするかに思われた2022年、腰と臀部のケガに苦しめられる。懸命なリハビリの末、長期離脱から復帰を果たしたが、その後は定位置を確保に苦しみ、2022年、2023年と2年連続でリーグ戦13試合のみの出場にとどまった。U-23日本代表の活動からも2022年3月の「ドバイカップU-23」以降しばらく遠ざかり、2023年終了後にはFC東京への期限付き移籍を決断した。

それでも、今季は期限付き移籍先のFC東京で開幕から印象的なパフォーマンスを披露。今年3月には2年ぶりにU-23日本代表への復帰を果たし、U-23ウクライナ代表戦で存在感を発揮した。その後、パリ五輪最終予選を兼ねた「AFC U23アジアカップ カタール2024」のメンバーにも選出されると、同大会で大きなインパクトを残し、見事に本大会のメンバー入りを果たした。

苦難を乗り越えて本大会のメンバー入りを勝ち取った荒木は、「(1年前は)自分のことに精一杯でした。試合にも出れていなかったので、試合に出るために目の前のことに一生懸命で、五輪とか、その世代の代表どころではなかったので本当に考えてもいなかったです」とこれまでの道のりを振り返り、「正直、去年、一昨年ではあまり考えられない感じだったので、今年(FC東京に)移籍してきて、今まで色々なことがありましたけど、今こうやってできているので、本当に色々な人に感謝したいと思います」と周囲への感謝をあらためて語った。

FC東京への期限付き移籍を機に代表へ返り咲いた形の荒木。「鹿島にいる時からプレースタイルは変えていないですし、試合に出ていた頃から変わっているとは思っていないです」と語りつつも、「ただ、試合に出続けるということが自分にとっては一番良かったのかなと思います」と話し、「自分自身では特に変えた部分はないんですけど、環境を変えるというのは一つ大事なことだなと思いました」とクラブへの感謝を語っていた。

記者会見では、「日本のために、チームのために、人一倍走って、責任をもってプレーして、ゴールやアシストという結果にこだわりながらやりたいと思います。もちろん優勝を目指しますし、日本に明るいニュースを届けられるように頑張りたいと思っています」と力強く意気込みを語っていた荒木。パリ五輪でさらなる飛躍を遂げられるか、注目が集まる。

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