「成功する準備が整っている」 鎌田大地の新天地パレスにフィットする可能性を米メディアが展望!「恩師グラスナー監督のシステムに適している」

イングランドのクリスタル・パレスと2年契約を結んだ鎌田大地。フランクフルト時代のボスであるオリバー・グラスナー監督の下で世界最高峰といわれるプレミアリーグに挑戦することを楽しみにしている27歳だが、逆に彼に対する期待も非常に大きいようだ。

これまでドイツ、ベルギー、イタリアで実績を積んできた日本代表MFについて、パレスのクラブ専門サイト『WE ARE PALACE』が「スペースを見つける力、両足での自在なプレー、ドリブル、チャンスメイクと、多くの能力を併せ持つ鎌田は、ドイツ人指揮官のプランにおいて重要なパートを担うことになるだろう」と、ポジティブな展望を示している。

また、アメリカのスポーツ専門メディア『The Athletic』も鎌田に注目しており、彼がどのように新天地に適応するかを展望。まずグラスナー監督が、ベティスから加入したモロッコ代表DFシャディ・リアトに次ぐ2人目の戦力補強として、2021-22シーズンにヨーロッパリーグをともに勝ち取った日本人選手を獲得した理由を挙げた。

「グラスナー監督はフランクフルトを率いていた際、鎌田を『ピッチ上であれほど頭の良い選手に出会うことは滅多にない。ダイチは相手にとって危険なスペースがどこに生まれるかを予測する感覚が優れている。攻撃において重要な役割を果たせる選手だ』と評していた」

「指揮官はまた、鎌田のユーモアのセンスや謙虚な性格も気に入っており、彼が自己批判的すぎないことも好ましいと考えている。彼はチームメイトに対して模範を示せる選手であり、トレーニングでは全力を尽くし、ロッカールームではチームにポジティブな雰囲気を作り出すこともできる」

プレーだけでなく、人間性も高く評価された鎌田のピッチ上での役割については、「『10番』としてプレーする可能性が高い。特に、ミヒャエル・オリセがバイエルンに移籍した場合、この新たな助っ人に期待がかかる。鎌田はチームの攻撃の流れを助け、影響力のあるプレーができる。優れたビジョン、冷静さ、優雅さを有しており、ボールを受けて前に運ぶために良いポジションを取れる能力がある。彼のプレースタイルは、直線的な爆発力のあるオリセではなく、プレーに滑らかさを持つエベレチ・エゼに似ている」と綴っている。

同メディアは、ラツィオで1401分間プレーした昨季の鎌田が、パフォーマンスを評価する指標において平均以上の「75」だったこと、また守備面の貢献でも非常に優れていたことを称賛し、「スペースを利用して他の選手にチャンスを作り出す能力があり、規律あるプレッシングによって攻守の切り替えで力を発揮する。鎌田はグラスナー監督のシステムに適しており、高い位置でのプレーが彼の強みを引き出す」と太鼓判を押した。

そして、グラスナー監督が用いる3-4-2-1システムも、イゴール・トゥドール監督時のラツィオで経験しており、多くの強みを有する鎌田が「パレスで成功する準備が整っている」と結論付けて、記事は締められている。

昨夏は加入間近といわれたミラン入りがご破算となったことで、十分な準備ができないまま新シーズンを迎える羽目となった鎌田だが、良い条件が揃った状態で臨めるであろうプレミアリーグでの1年目で、最初から周囲の期待に応えられるか非常に楽しみである。

構成●THE DIGEST編集部

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