岩渕真奈が肌で感じたジェンダーギャップ――今後重要なのは? 女子大生にエール「1個壁を越えれば見える景色は全然違う」

東京都スポーツ文化事業団は7月3日、新紙幣発行を記念して、新五千円札の肖像となる津田梅子氏が創立した津田塾大学と共催でイベントを実施。元女子サッカー日本代表の岩渕真奈氏が、元女子レスリング日本代表の登坂絵莉氏と共にゲストとして登壇し、女性アスリートの地位向上について語った。

ワールドカップ制覇をはじめ、様々な偉業を成し遂げ、昨夏に30歳でスパイクを脱いだ岩渕氏は、ドイツとイングランドのクラブでもプレーした。日本との違いを肌で感じたようで、次のように振り返った。

「イギリス、ドイツ両国ともに、日本もそうですけど、やっぱり収入や環境の部分は男性のスポーツに比べたら少し落ちるかなと。それでも私の中には、ドイツ、イギリスは毎年良くなっている感覚があって、少しずつ女性スポーツ、女性の地位がフォーカスされて良くなっていると思います。

日本は日本なりの課題があるし、私個人的には女性、男性の括りを本当は持ちたくないですが、声を上げられる女性がしっかり声を上げることで女性の地位が上がっていくと思うので。スポーツも色んな部分でもっともっとギャップがなくなっていったらいいなと、海外生活を経験してすごく思うところではあります」

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この日は津田塾大学の学生が数多く参加した。司会者から「未来の女性たちへのバトン、繋げたいものはありますか」と問われた際には、岩渕氏はこう呼びかけた。

「サッカーを見ても男子サッカーの方が人気だったりというなかで、女性が声を上げることはすごく勇気が必要で、怖いと思いますが、それをチャレンジするというか。何事も1個壁を越えることで見える景色は全然違うので。皆さんがどういう未来に進んでいくのかは分からないですけど、1つのチャレンジを楽しむことで、女性の地位の向上に繋がるので、積極的にチャレンジしてほしいなと。自分を強く持ってほしいなとすごく思います」

日常に潜むチャレンジができる“令和の津田梅子”は現われるか。なでしこジャパンのレジェンドは、「この中に150年後に新紙幣になっている人がいるかもしれない」とエールを送った。

取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

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