中ロ首脳、連携確認 上海協力機構「多極化世界の安定力」

Pavel Mikheyev

[アスタナ/モスクワ/アンカラ 3日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領と中国の習近平国家主席は3日、カザフスタンの首都アスタナで開幕した中ロ主導の地域協力組織「上海協力機構(SCO)」の首脳会議に出席し、SCOは多極的な世界の安定力になっているとの考えを示した。

プーチン大統領は、SCOは「公正で多極的な世界秩序の重要な柱の一つとして確固たる地位を築いている」と表明。ロシアと中国の二国間関係は史上最高の状態にあるとし、「われわれの協力は何かを標的にしたものではなく、いかなるブロックや同盟も形成していない。国民の利益のためだけに行動している」と述べた。

習主席は冒頭演説で「絶え間なく変化している国際情勢」に対応し、中国とロシアは「何世代にもわたる友好という従来の願いを堅持する」と語った。

プーチン氏と習氏はSCO首脳会議に合わせ、個別の会談も実施。ロシア大統領報道官によるとウクライナ問題について協議し、ロシアが参加しない和平交渉は無益との認識で一致した。

両首脳はこのほか、ロシア産天然ガスをモンゴル経由で中国に運ぶパイプライン「シベリアの力2」を巡り、それぞれの国の企業に納入条件についてできるだけ早く合意するよう指示した。

プーチン大統領はトルコのエルドアン大統領とも会談。トルコ大統領府によると、エルドアン氏はロシアとウクライナの戦争を終わらせる基盤の構築に貢献できると伝えた。パレスチナ自治区ガザでの戦争やシリア紛争終結に向けた方策についても協議したという。

しかし、ロシアのペスコフ大統領報道官はテレビインタビューで、エルドアン大統領がロシアとウクライナの仲介役を務めることはできるかという質問に対し、「それは不可能だ」と応じた。タス通信が報じた。

ロシア大統領府によると、プーチン大統領はパキスタンのシャリフ首相、アゼルバイジャンのアリエフ大統領、モンゴルのフレルスフ大統領とも会談。一連の二国間会談をこなした。

SCOは2001年にロシア、中国、中央アジア諸国が設立。その後インド、イラン、パキスタンが加盟した。ロシア大統領府は、ベラルーシが今回のSCO首脳会議に正式加盟国として初めて参加するとしている。

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