【株価比較】回転寿司チェーン店「スシロー運営のFOOD&LIFE COMPANIES」と「くら寿司」の業績推移及び株価動向、くら寿司が堅調な株価推移を見せる

国内店舗は賑わいを回復も成長は海外中心

コロナ禍の後、円安の影響などから業績の回復が遅れているとも言われていた回転寿司チェーン店。しかし、2023年度の業績は回復しています。

国内店舗は以前の賑わいを取り戻していますが、業績の回復は海外要因が大きいようです。

スシローを運営する「FOOD&LIFE COMPANIES<3563>」と、「くら寿司<2695>」の業績推移と株価動向を確認してみましょう。

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遅れはあったがコロナ禍からの回復を見せる回転寿司業界

コロナ禍の前、回転寿司業界もインバウンド需要で大いに潤いました。しかしコロナ禍とともに、回転寿司チェーン店も業績が悪化。また円安の進展により、食材の多くを輸入に頼る回転寿司チェーン店の業績は、コロナ禍が明けても回復が遅れることに。

しかし足下では、回転寿司チェーン店の業績も回復しています。

回転寿司チェーン店を展開するFOOD&LIFE COMPANIES<3563:スシローを運営>、くら寿司<2695>の業績を見ていきましょう。

FOOD&LIFE COMPANIES(スシロー運営)の業績推移<3563>

回転寿司チェーン店最大手の「スシロー」を運営するのがFOOD&LIFE COMPANIESです。同社は以下の業績推移となっています。(IFRSを採用)

【写真枚】1枚目/FOOD&LIFE COMPANIES(スシロー運営)の業績推移、2枚目/FOOD&LIFE COMPANIES(スシロー運営)の2024年9月期予想

2022年9月期

2022年9月期 売上収益2813億円(前期比16.8%増)、営業利益101億円(同▲55.8%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益36億円(前期比▲72.6%減)

2023年9月期

2023年9月期 売上収益3017億円(前期比7.3%増)、営業利益110億円(同8.7%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益78億円(前期比119.0%増)

FOOD&LIFE COMPANIES(スシロー運営)9月期の連結業績予想

2024年9月期(予想)

2024年9月期(予想) 売上収益3600億円(前期比19.3%増)、営業利益220億円(同100.0%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益130億円(前期比64.6%増)

増収増益が続き、また5月には2024年9月期予想の上方修正を発表するなど、順調な成長が続いています。

ただし部門別損益を見ると、国内部門の2023年9月期は営業利益110億円で前期比▲25億円(同▲18.6%減)の減益となりました。一方で海外事業は営業利益72億円で同39億円の増益(同116.5%増)であり、業績回復は海外事業が牽引しています。また、中期経営計画では2026年9月期には海外事業の利益が国内事業を上回る計画であり、同社の成長は海外事業中心となっています。

くら寿司の業績推移<2695>

くら寿司の業績推移は以下となります(日本基準を採用)。

くら寿司の業績推移

2022年10月期

2022年10月期 売上高1830億円(前期比23.9%増)、営業利益▲11億円、親会社の所有者に帰属する当期純利益7億4000万円(同▲60.8%減)

2023年10月期

2023年10月期 売上高2114億円(前期比15.5%増)、営業利益24億円、親会社の所有者に帰属する当期純利益8億6000万円(同15.9%増)

くら寿司の業績推移

2024年10月期(予想)

2024年10月期(予想) 売上高2340億円(前期比10.7%増)、営業利益55億円(同123.9%増)、親会社の所有者に帰属する当期純利益35億円(同305.4%増)

会計基準がFOOD&LIFE COMPANIESはIFRS基準、くら寿司は日本基準であり、直接的な比較はできないものの、くら寿司も順調に増収が継続中です。2022年10月期はコロナ禍の影響が残り営業利益は赤字でしたが、2023年10月期から黒字化しています。当初、2024年10月は増収・利益ほぼ横ばいの計画でしたが、6月10日に予想決算の上方修正を発表しており、大幅増益の予想となりました。

くら寿司も海外展開に力を入れており、2023年10月期の段階で既に海外事業の利益(17億円)は国内事業(13億円)を上回っています。また2022年10月期は北米事業が赤字でしたが、2023年10月期は国内及び海外の北米・アジア事業のいずれの地域も黒字化及び増益を果たしました。

休日ともなれば、多くの回転寿司チェーン店がは混雑しています。実際にくら寿司は映画キャラクターなどとのコラボレーションが業績を後押しして、上方修正を発表しました。しかしスシロー、くら寿司のいずれも、既に海外中心の成長となりつつあるといえるでしょう。

2024年はくら寿司が堅調な株価推移を見せる

最後に、両社の株価推移を見てみましょう。

スシローを手掛ける「FOOD&LIFE COMPANIES」は2800円台を中心にほぼ横ばい

2023年1月4日~2024年6月26日「FOOD&LIFE COMPANIES(スシロー)」の株価チャート

スシローを手掛ける業界最大手のFOOD&LIFE COMPANIESは2023年3月に高値3710円を付けた後、2800円台を中心に上下して株価はほぼ横ばいの状態が続いています。

くら寿司は2024年に入り株価は上昇、4000円台半ばを維持

2023年1月4日~2024年6月26日「くら寿司」の株価チャート

一方、くら寿司は2024年に入り株価の上昇が続いており、4月の5310円が高値となっています。その後株価は下落したものの、4000円台半ばの水準に。2024年の上昇分の大半を維持する値位置にあります。

両社は会計基準の違いや規模の差がある中で、足下ではくら寿司の株価が好調です。

ただし両社ともに業績は堅調に推移しています。くら寿司に比べ株価が出遅れているFOOD&LIFE COMPANIESですが、今後株価は伸びるのでしょうか?

その株価の行方とともに、海外展開で成長する両社の業績の行方も注目されます。

参考資料

  • 株式会社FOOD & LIFE COMPANIES「2023年9月期 決算短信〔IFRS〕(連結)」
  • 株式会社FOOD & LIFE COMPANIES「2024年9月期 第2四半期決算短信〔IFRS〕(連結)」
  • くら寿司株式会社「業績予想の修正に関するお知らせ」

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