小木曽喬は”準地元”へ凱旋 メジャー2戦目の地は「小学生時代から」のホームコース

韓国で初優勝を挙げた小木曽喬。次はメジャー獲りに挑む(撮影:上山敬太)

<日本プロゴルフ選手権 事前情報◇3日◇富士カントリー可児クラブ 志野コース(岐阜県)◇7164ヤード・パー71、7201ヤード・パー72>

6月に行われた日韓共催大会「ハナ銀行インビテーショナル」で悲願のツアー初優勝を果たした小木曽喬(おぎそ・たかし)。韓国戦からひさしぶりの国内試合に挑む。

ハナ銀行インビテーショナル後は、そのまま韓国開催のアジアンツアー「コロン韓国オープン」にも出場。結果は日本勢最上位となる20位タイだった。しばらく韓国に滞在していたこともあり「今週、会場で『おめでとう』と言ってもらって、それで優勝できたんだなと思いました」と遅めの祝福を受けた。

そして、国内メジャー2戦目は岐阜県が舞台。愛知県出身の小木曽にとっては”準地元”での、いわば凱旋試合になる。さらに富士カントリー可児クラブは父がメンバーで、「小学生時代から」親しむホームコースとのことでなおさら力が入る。「今年が始まる前から日本プロが富士可児ということで、ここに照準を合わせて頑張ろうと思っていた」。日本プロを同コースで開催するのはこれが初めてのことだ。

多くの選手が初見となるが、コースを熟知している小木曽は「グリーンのライン読みが難しい。ラフは深い所をちゃんとチェックしておけばいいかなと思います。フェアウェイから打つことが大事なので、フェアウェイキープが今週のカギ」とそのポイントを挙げる。ただ「通常営業とは違うところに切ってくるので、これまでにないピンポジです」とメジャーならではのセッティング。いつもと”表情”の異なるコースへ警戒感も示した。

そして今週も引き続きゴルフの状態は「いいです」と口にする小木曽は昨年、予選落ちゼロと抜群の安定感を見せた。今季は「For The Players By The Players」から3戦連続で決勝進出を逃したものの、態勢を立て直し優勝を手繰り寄せた。この目を見張る活躍は3年前から師事した堀尾研仁コーチの存在があったから。

「スイングが大きく変わりましたし、色々な事を勉強しました」。コーチとともにスイング改造に着手したことが奏功した。ゴルフ人生を変えたといっても過言ではない堀尾コーチへ「出会えたことが僕にとって大きいですし、出会ってなかったらシードも獲れていないですし、感謝しています」とその思いも口にした。

今大会の意気込みについて聞かれると「メジャーに勝ちたいですし、地元で優勝したいなという思いが強い」と鼻息は荒い。「メンタル的にも充実しているので、自分のペースでやれたらなと思います」。初優勝を手土産に、慣れ親しんだ地での凱旋Vを狙う。(文・齊藤啓介)

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