ジャイアンツQBジョーンズの長期的な未来については今年が“勝負の年”とシェーンGM

ニューヨーク・ジャイアンツのダニエル・ジョーンズ【Peter McMahon/Miami Dolphins via AP】

『Hard Knocks: Offseason with the New York Giants(ハードノックス:オフシーズン・ウィズ・ザ・ニューヨーク・ジャイアンツ)』の初回エピソードは、ジャイアンツのオフシーズン最大の決断、すなわち、クオーターバック(QB)ダニエル・ジョーンズおよびランニングバック(RB)セイクワン・バークリーの命運に迫ることから始まった。

ジャイアンツでの2人の将来は、周囲に与えていた印象以上に互いに関係していることが明らかになっている。

簡潔に言えば、ジャイアンツは負傷に悩まされたシーズンを終えたジョーンズには大型契約を得るにふさわしいことを証明するためのチャンスがもう1度必要だと判断した一方、バークリーのニューヨーク復帰については扉を閉ざしている。

ジャイアンツのジェネラルマネジャー(GM)ジョー・シェーンは「彼(ジョーンズ)に4,000万ドル(約64億6,502万円)を支払っている。1,200万ドル(約19億3,950万円)のランニングバックにボールを渡すためではない」とコメント。

なるほど、そう言われると確かにそうかもしれない。

ジョーンズはジャイアンツの2024年のサラリーキャップスペースの約20%を占めている。そのため、バークリーに年間1,200万ドルのフランチャイズタグを付けないという決定はかなり容易なものだった。ジャイアンツの選手人事担当責任者であるティム・マクドネルが、もしバークリーを失ったら、オフェンス面におけるチームのアイデンティティはどうなるのかという大げさな問を投げかけた際、シェーンGMはジャイアンツが優先度の低いポジションでバークリーに過剰な支出をするには、他に問題が多すぎると感じたと明言している。

シェーンGMはドラフト前の段階で「フリーエージェント(FA)でオフェンシブライン(OL)に対処する計画だ。われわれはドラフト全体6位指名権を持っていて、それでオフェンスの武器を獲得できる可能性がある」と語っていた。

「今年はダニエルにとって勝負の年だ。計画としては最初から彼に数年の猶予を与えるつもりだった。今後10年間チームを率いるのは彼なのか? それとも別の選手を探す必要があるのか?」

これが今シーズン、ジャイアンツが直面している現実だ。ジョーンズは首の負傷とACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)断裂から復帰しているところであり、ジャイアンツでの重要な6年目を迎える。ドラフト1巡目指名のワイドレシーバー(WR)マリク・ネイバースの加入は大きな助けとなる可能性があるが、オフェンシブラインのパフォーマンスが昨年より大幅に改善されない限り、ジョーンズにはチャンスがないかもしれない。

シェーンGMは「現実は——事実として——(ジョーンズは)2年間で3つの大きなケガをしている。われわれは自分たちを守る必要がある。今年、彼にはあまりチャンスがなかった。それは本当のことだ。オフシーズンには、一緒にプレーするはずの主要メンバーがスナップ60回以下しか一緒にプレーしていない。マイアミ(ドルフィンズ)戦では、練習生が3人も出場していたんだ」と述べ、次のように続けている。

「パット(パトリック)マホームズがいても、あの状況では勝てないだろう。(ジョーンズを)見限るつもりはない。彼にはあと3年契約が残っている。ただ、自分たちを守ろうとしているんだ。未来を予測する最善の方法は過去を見ることなのだから」

シェーンGMが今回の件で、将来が少しでも良くなることを期待しているのは明らかであり、今オフシーズンにバークリーを今手放すという判断の理由がこれで説明できるだろう。

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