大けが乗り越え挑んだアームレスリング4階級制覇 「限界決めず挑戦」 “過去最強”の肉体で目指す大記録【山形発】

アームレスリングの選手生命が危ぶまれる大けがを乗り越え、2023年、全日本選手権で3階級を制覇した山形市の男性が、2024年、4階級制覇に挑んだ。

目指すは4階級制覇

国内のアームレスラーの頂点を決める全日本選手権を2週間後に控えたある日。山形市のアームレスラー・植松政憲さん(42)は、自身が経営するトレーニングジムで練習に励んでいた。

植松さんは「腕を組みあって、手だけのスポーツだと思われがちですけど、体全部を伝わって手に伝われば相手が予想もしなかったところから振ってくる感じになる。手だけの力じゃない」とアームレスリングの奥深さを語る。

植松さんは、これまでに70kg級と75kg級の2階級を制覇。2023年は「上腕二頭筋腱断裂」という大けがを乗り越え90kg級でも優勝。奇跡の復活で「3階級制覇」を成し遂げ、大会のMVPにも選ばれた。

そして2024年は、体重を一気に10kg落として80kg級に挑戦。目指すは4階級制覇だ。

植松政憲さん:
以前、80kg級に出た時は上腕二頭筋腱断裂という大けがをしてしまって、そこから手術もして、言ってみれば獲れなかった階級なので、減量もして挑むわけですから絶対獲りたい

肉体改造でハイレベルな階級に挑む

新たな挑戦に向け、植松さんはこの半年間、「90kg級の筋肉は維持したまま脂肪だけを10kg落とす」という難しいトレーニングを続け「過去最強」の肉体を目指してきた。

練習に励みながら植松さんは、「試合も近いので長く有酸素運動をするというよりは、ダッシュで瞬発力・爆発力の強化を目的としている。今回の減量は最初から運動量を上げていくと決めていた。どれだけ運動量で体重を落とせるかやっている」と語った。

さらに「最大限のパワーを引き出すカギは食事にある」として、今回初めて食事の栄養バランスも徹底し、内側からの肉体改造にも取り組んだ。

2024年の全日本選手権は、過去最多となる約600人がエントリー。中でも80kg級は国内トップクラスの選手が多く参加するハイレベルな階級だ。

植松さんは「好きなことを続けるために頑張るのは当たり前のこと。“好き”が苦しいときもある。自分に限界を決めず挑戦していく自分でいたい、優勝します。優勝して4階級制覇を成し遂げたい。山形にメダルを持ってきます。それだけです」と意気込みを語った。

迎えた全日本選手権 結果は…

そして、6月30日に横浜市で行われた全日本選手権を植松さんは、予選から順調に勝ち上がった。

迎えた決勝戦の相手は予選で一度倒している選手だったが、上手く攻められ、結果は残念ながら準優勝。

4階級制覇はならなかったが、試合後、植松さんは「負けは悔しいが、自分のアームレスリングの人生は逆境からの逆転なので、またここから強くなれると信じて頑張ります」と前向きに話してくれた。

(さくらんぼテレビ)

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