災害時や離島への物資輸送“事業化”を目指す倉敷市の一般社団法人が「空飛ぶクルマ」新機種を導入【岡山】

「空飛ぶクルマ」の事業化を目指そうと新たな動きです。機体の飛行テストを続けてきた倉敷市の一般社団法人が、7月3日、医薬品や物資などを運べる新たな機体の導入を発表しました。

導入する機体は中国メーカーが製造した全長11.5メートル、幅15メートル、「Auto Flight V2000CG」です。最大350キロの荷物を載せることができ、プログラムに基づいて無人で飛行します。

岡山市の岡南飛行場では3日、倉敷市の一般社団法人、「MASC(マスク)」の関係者約10人が参加してテープカットを行い、導入を祝いました。

「空飛ぶクルマ」の事業化を目指す「MASC」。今回、東京の機体販売代理店などと連携し導入しました。災害時やアクセスが不便な離島などへ医薬品や物資などを運ぶことを想定しています。

(MASC 井上峰一理事長)
「日常や緊急時に役立てられれば」

(岡山県 伊原木隆太知事)
「防災や命を救う活動でオプションを広げていきたい(今回の機体は)いろいろな使い方がある。非常に楽しみ」

MASCは2024年度中に飛行テストを始め、2028年度の事業化を目指すとしています。

・・・「空飛ぶクルマ」って最近よく聞くワードですよね。

(長尾龍希キャスター)
「はい、特に瀬戸内エリアで注目されています。瀬戸内の島では、外国人観光客が増えていますが、定期船が運航していない夜間に島を訪れたいというニーズも高まっています。ヘリコプターを使うケースもあるそうですが、騒音が問題となります。

そこで注目されるのが「空飛ぶクルマ」です。電動モーターで複数のプロペラを回して飛行するため、エンジンで飛行するヘリコプターより騒音が小さいとされます。様々な事業者が新しい交通ビジネスに向け挑戦を続けています。

香川県では2024年1月に事業者が「空飛ぶクルマ」の展示するイベントを行い、一般の人に理解を求めました。

一方で2025年の大阪・関西万博では、「空飛ぶクルマ」に客を乗せた「商用運航」を目指していますが、手を上げていた一部の事業者が挑戦を断念するという状況も生まれています」

安全面への懸念が大きいですから簡単に進まないと思いますが、これから社会の関心を集めそうですね。

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