町田市議有志ら 障害者理解に部発足 パラスポーツ通じ目指す 町田市

体験会に参加した市議ら

町田市議会議員の有志らが今年度、パラスポーツ部を発足した。先日は専用のカーペット上でプラスチック製のストーンを滑らせるスポーツ「ユニカール」に挑戦。パラスポーツの体験、観戦などを通じて、障害者への理解を深めたい考えという。

「思ったよりも簡単」「上手くいった」――。町田市内の施設で先月行われたパラ部の体験会。メンバーに名を連ねる超党派の議員らはユニカールのほか、木製のピンを倒し規定の得点を目指すスポーツ「モルック」を楽しんだ。これらスポーツに初めて取り組むメンバーが少なくないなか、専門家のアドバイスをもらいながら、終始、笑顔がみられる会となった。

パラ部の部長を務める市議会議員の藤田学さんは「楽しかった。みんなで盛り上がれるものと実感した。また、取り組みたい」と感想を話す。

「体験したい」

部発足の話が出たのは今年2月。パラオリンピックが8月に開催され、来年は東京都内で聴覚障害者のスポーツ競技大会「デフリンピック」が開かれることなどから、「私たちも体験してみよう」という声があがったことがきっかけになった。

発起人となった藤田さんらがメンバーを募ると会派を超えたメンバー11人が集結。部の活動を通じて、パラスポーツや障害者への理解を深めていくことを目的にしていくことを共有し、「自分たちがまず楽しみながら。高校生の部活動のようなものになると思う。地域交流も果たしていきたい」とほほ笑む藤田さん。会費を集め活動していくといい、「パラアスリートとの懇談会なども開いていきたい。来年のデフリンピックではいちボランティアとして参加できればと思う」

理解不十分

町田市内のパラスポーツへの理解は進みつつあるようだ。木曽町に障害者スポーツの推進を目指すパラアリーナの建設が決定し、町田市は先月、スポーツを通じた共生社会の実現を図っていく連携協定を日本財団パラスポーツサポートセンターと締結した。

ただ、藤田さんによると、市内にはパラスポーツを楽しみたいと考える障害者が利用できる施設が少ないのが現状といい、「近隣市に比べると遅れていると考えている。障害がある人にスポーツできる環境があることを広め、取り組む方が増えればと思う」と話す。

今回、パラ部にユニカールを指導した町田市ユニカール協会の吉村義憲さんは「市議の皆さんには一緒にパラスポーツの啓蒙活動を進めてもらいたい。誰でも楽しめるもの。障害者と健常者が皆でスポーツを楽しむ環境になっていけばと思う」と話している。

モルックに挑戦する市議

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