「サッカークラブの成長は地域と一体となることが大事」Jリーグ野々村芳和チェアマン語る IBC岩手放送生出演

スタジオには、日本プロサッカーリーグ=Jリーグのトップ、野々村芳和チェアマンにお越しいただきました。野々村さんどうぞよろしくお願いいたします。

私からプロフィールをご紹介させていただきます。静岡県のご出身、1972年生まれの現在52歳です。
大学卒業後、当時のジェフユナイテッド市原に入団、その後コンサドーレ札幌でも活躍されました。現役時代のポジションは、ミッドフィルダーです。
引退後はサッカー解説者や、チームアドバイザー、当時の北海道フットボールクラブ社長などを経て、2年前2022年にJリーグのチェアマンに就任されました。

チェアマンといえば、Jリーグのトップですが、どんなお仕事をされているんでしょうか?

(野々村チェアマン)
「よく聞かれるんですよ。自分でもよく分かっていなかったところはあるが、時代時代によってやらなきゃいけないことは違うなと思っていて。どっちの方向に進んでいくかということを決めたり、その方向性を示すというのが仕事の一つではあるんだが、今はJリーグというのは、国内での競争は続けながら、世界とどう戦っていかなきゃいけないかみたいなマインドに変わらなきゃいけない。選手はもう変わっているので、フロントスタッフなどこっち側にいる人たちのマインドを変えるのが僕らの仕事だと思う」

今回岩手にいらして、さまざまな人たちとお話しをされたようですが、岩手入りの目的というのはどんなことでしょうか?

(野々村チェアマン)
「すべての県を回っているという感じなんですね。地元にあるクラブが成長するためにメディアや地域の皆さんと一緒にクラブを作っていきましょう。盛り上げていきましょうよというのをお願いする行脚をしているところです」

岩手のJリーグチームいわてグルージャ盛岡、J3で苦戦している状況です。
野々村さんから見て戦いぶりはいかがでしょうか。

(野々村チェアマン)
「立場上、今のサッカーの内容がどうこうという話はしないようにしているが、順位表を見れば苦しんでいるのはよく分かる。ここからちょっとでも3つ、4つと順位を上げることはできる。苦しい時に選手たちとかクラブだけで頑張って得られる結果というのは限度がある。サポーターとかスタジアムの雰囲気に助けられて勝てるゲームがどれぐらい実現できるかというのが苦しい時こそ必要になってくる。それは地域の力だったりそもそものクラブ力だったりするので、多くの皆さんでいい雰囲気を作ってチームを勝たせてあげるみたいなゲームをたくさん出来ると目標を達成できるんじゃないかと思う」

こういう時こそサポーターの力が・・・・

(野々村チェアマン)
「と、思いますよ。やっている選手もその感じをすぐ受け取ってパフォーマンスに現れてきますので」

グルージャと言えばもう一つ、スタジアムの問題があります。

現在のホーム・いわぎんスタジアムは、J2の基準を満たしておらず改修が必要ですが、その費用の目途が立っていない状況です。
野々村さんは解決の糸口どんなところにあるとお考えですか

(野々村チェアマン)
「糸口と言われると分からない部分もあるが、それぞれの地域でクラブと地域の人たちでどんなものが必要なのか、例えばスタジアムの大きさとかスペックとか、またスタジアムの周りにどんなものがあるとその地域にとっていいのかというのは地域ごとに答えは違う。その最適解をみんなで見つけながらやっていく、ということが必要なのかなと思っている。サッカークラブは上のカテゴリーに行きたいという思いを持って選手たちもスタッフもやっているわけなので。ただ、どこまでいけるかというのはクラブ力によって差がある。自分たちがどこまで行きたいんだという目標設定の中で、必要なものは何かということをクラブだけでなく、みんなで考えていくということが必要だと思う」

こういう時にもサポーターの力、地域の力は大きいわけですね。

(野々村チェアマン)
「サッカークラブがどうやって成長していくかというのは、クラブだけでは絶対にうまくいかない。Jリーグのクラブのいいところは『いかに地域と一緒になっていろんな課題を解決していくか』ということ。『強いか弱いか』よりも、そっちの方が大事だったりする。そんなことを通じて地域の仲間を増やしていくことが出来ると、結果的にクラブは成長してサッカー的にも強くなれるだけの資金が蓄えられていく。そんな風になっていって欲しい」

グルージャは今度の土曜日6日に、盛岡のいわぎんスタジアムで、SC相模原を迎え撃つホームゲームが行われます。
最後に岩手のみなさんにメッセージをお願いします。

(野々村チェアマン)
「皆さんがチームを勝たせたというゲームをたくさんできると、それはイコール素晴らしい作品だったということになる。そんなものを今シーズンも作っていただけるとうれしい」

この時間は、Jリーグの野々村芳和チェアマンにお話を伺いました。
野々村さん、ありがとうございました。

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