男女日本代表が壮行会で笑顔、三屋会長「とにかく選手たちには悔いのない戦いをしてほしい」

有明アリーナで男女代表が揃っての壮行会を開催

パリオリンピックに出場するバスケットボール男女日本代表の壮行会「日本一丸イベント」が7月3日、有明アリーナ(東京)で行われた。男女代表選手が勢ぞろいし、トークイベントなどを和気あいあいとした雰囲気のなかで会は進行した。

女子代表のヘッドコーチとして東京2020オリンピックで銀メダルに導き、その後男子代表を率い、昨年のワールドカップでアジア最高位となりオリンピック出場権をつかんだトム・ホーバスHCは「ここに集まったほとんどの選手が教え子。すばらしいイベントです」と感慨深げに語った。さらに代表選考も兼ねる5日、7日の強化試合「SoftBank CUP 2024」での韓国戦に向け、八村塁が合流したことで「コンペティション(競争)が高まっています」「だれが悪いかではなく、対戦相手を考えて、だれがより良いかという選択です。本当はみんな連れていきたい」とうれしくも、悩ましい心情を語った。

また、会場を訪れていた三屋裕子JBA会長にパリオリンピックでの男女代表への期待を聞くと「会長の立場ではなく、元アスリートとしての個人的な立場として、とにかく選手たちには悔いのない戦いをしてほしいと思っています。私自身、金メダルが欲しかったけど、銅メダルで終わってしまったのですが、振り返ってみるとそれよりも大切なものが残っているものです。もちろん結果は付いてくるものですが、それ以上に選手それぞれが悔いの残らない戦いをしてくれれば」と語る。
その言葉のとおり、三屋会長はバレーボール日本代表としてロサンゼルスオリンピック(1984年)に銅メダルを獲得しているトップアスリート。それだけに会長就任当時は男子代表に対しては厳しい評価も口にしていた。「東京2020以前は、一部の選手に頼ってしまって、自信なさそうにプレーをしている選手がいましたよね。シュートチャンスなのにシュートを打ち切れずにパスを回してしまったりして。しかし、今は違います。果敢に挑戦している姿を見ることができますし、そうしたマインド変化を感じています。昨年のワールドカップで証明してくれたように、みんな自信を持って、プライドを持って戦ってくれています」。
そんな選手たちの成長を認めたからこそ「悔いの残らないように」とエールを送るのだ。その上で、会長として、パリオリンピック後にどんな姿を描いているかと問うと

「東京2020での女子の銀メダル、そして昨年のワールドカップカップで男子代表が頑張ってくれたことで、日本においてもバスケットボール人気のベースができたと思っています。ですから、今回のパリオリンピックを通して、より国民的なスポーツになっていったほしいですね。特にバスケットボールをやりたいと思ってくれる子どもたちが増えてくれればうれしいです。そう思ってもらえるようになるためには、代表に選ばれた彼ら、彼女らがいい顔をして、堂々と戦ってくれれば、魅力がより広く伝わっていくと思いますし、子どもたちにとってもいい影響を与えてくれるでしょう。
女子は金メダルを目指しての戦いのなかでアメリカとどう戦うか、男子は“SHOCK THE WORLD”、世界を驚かす戦いですし、特にワールドカップで敗れたドイツ、オーストラリアとどう戦うのかがカギですし、注目しています」。

三屋会長自身の出身競技であるバレーボールも男女代表がオリンピック出場を決めているが「バレーボールは(1964年の東京オリンピックで)女子が金、男子が銅メダルからスタートした歴史があります。そういう意味ではバスケットボールはこれから追い付いていこうという段階。オリンピックなど、世界の舞台に出続けられるようになっていくことが大切です」としつつ、「パリでバレーボールの方がいい成績を残したら、うらやましいと思ってしまうかもしれませんが、何より今は、選手たちのイキイキとし表情を見られていることで安心できています。バスケットボールもバレーボールも、世界と戦える力があると思いますから、みんなが悔いのない戦いができることを願っています」と改めて選手たちへのエールを口にした。

●女子日本代表国際強化試合 三井不動産カップ2024 (東京大会)
・7月4日(木曜日) 日本代表vs. 女子ニュージーランド代表[DAY 1]
ティップオフ19:00~
<放送>フジテレビ地上波/CSフジテレビNEXTにて生放送

・7月6日(土曜日) 日本代表VS 女子ニュージーランド代表[DAY 2]
ティップオフ13:30~
<放送>テレビ朝日系列にて生放送 ※一部地域をのぞく

●男子日本代表国際強化試合SoftBank CUP 2024 (東京大会)
・7月5日(金曜日) 日本代表VS 男子韓国代表[DAY 1]
ティップオフ19:00~
<放送>日本テレビ系列にて生放送

・7月7日(日曜日) 日本代表VS 男子韓国代表[DAY 2]
ティップオフ19:30~
<放送>テレビ朝日系列にて生放送

※この原稿は月刊バスケットボールWEB()に掲載されたものです。

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