レイダースQBオコンネルは“素晴らしい”ルーキーシーズンを過ごしたと元チームメイトのQBホイヤー

ラスベガス・レイダースのジミー・ガロポロ、エイダン・オコンネル、ブライアン・ホイヤー【Kevin Sabitus via AP】

ラスベガス・レイダースでは、今年のトレーニングキャンプで最も熱いクオーターバック(QB)争いの1つが繰り広げられると見られている。

経験の豊富さと、フリーエージェント(FA)としてチームに加入したことから、QBガードナー・ミンシューがその競争を制する可能性が高いと見られているが、かつてレイダースに所属していたあるクオーターバックは、素晴らしいルーキーシーズンを過ごしたことを踏まえると、エイダン・オコンネルを見くびるべきではないと考えている。

昨季にレイダースでオコンネルのチームメイトだったQBブライアン・ホイヤーは『SiriusXM NFL Radio(シリウスXM NFLラジオ)』でアンバー・セオハリスに「年の始まりにはデプスチャートで3番目だったのに、結局は最後まで出場していた。彼の成長ぶりと、ドラフト4巡目指名選手として成し遂げたことを目の当たりにしたのは素晴らしいことだった」と語った。

2023年シーズンを振り返ると、レイダースは3人のクオーターバック――ジミー・ガロポロ、ホイヤー、オコンネル――を先発させ、2人のヘッドコーチ(HC)――ジョシュ・マクダニエルズと暫定的にその後任となったアントニオ・ピアース――をサイドラインに置いていたことが分かる。

ミンシューとオコンネルのどちらかがシーズン第1週の先発になると見込まれている中で、ピアースは現在、フルタイムのヘッドコーチとなっている。

昨シーズンを迎えるにあたり、ガロポロはレイダースが将来に向けて若手の後任を見つけるまでの橋渡し役として、新たにQB1になった。しかし、ガロポロやホイヤーというベテランの存在があったにもかかわらず、レイダースに勝利への最大のチャンスを与えたのは、2023年NFLドラフト4巡目で指名されたパーデュー大学出身のオコンネルだった。そのため、オコンネルは新人でありながらシーズン第9週から第18週まで先発を務めている。

先発としてチームを5勝5敗に導いたオコンネルは、シーズンを通して11試合に出場し、パス成功率62.1%、2,218パスヤード、タッチダウン12回、インターセプト7回を記録。まばゆい輝きを放ったわけではないものの、ジェットコースターのようなシーズンに最大限の努力をし、気概とタフネスを十分に見せつけたオコンネルには、きらりと光るものがあった。

「エイダンが成長するのを目の当たりにしてきて、彼が1年の最後に“今年がこんな展開になるなんて思ってもみなかった”と言ったのを覚えている」とホイヤーは振り返っている。「もちろん、開幕スタメンを務めたのはジミー・ガロポロで、1年の最後にプレーしていたのはエイダンだった」

一方、昨季にインディアナポリス・コルツに所属していたミンシューは、シーズン最終週までチームのプレーオフ進出への望みをつないだ。オコンネルと同様に、シーズン第1週は先発ではなかったが、負傷したアンソニー・リチャードソンの代役を務めたミンシューは、先発として7勝6敗、3,305パスヤード、タッチダウン15回、インターセプト9回を記録し、プロボウルに選出されている。

2024年NFLドラフト1巡目で史上最多タイとなる6人のクオーターバックが指名された後、トップ6のクオーターバックを獲得できなかったレイダースは、タイトエンド(TE)ブロック・バワーズを指名。バワーズは今後、ミンシューかオコンネルとタッグを組むことになる。

レイダースでの経験はあるにもかかわらず、劣勢にあると見られているオコンネルにとっては、厳しい戦いとなるだろう。オコンネルが先発した試合のうち、1試合を除くすべての試合で攻撃コーディネーター(OC)を務めたのは、マクダニエルズの解任後に暫定OCに就任したボー・ハーディグリーだ。しかし、ハーディグリーは現在、テネシー・タイタンズに所属しており、レイダースの攻撃コーディネーターはルーク・ゲッツィが務めている。つまり、オコンネルもミンシューもオフェンスを学び、導くという点で、一から始めなければならない。

ホイヤーは「実は、彼らがボー・ハーディグリーを呼び戻す可能性を検討すらしなかったのには驚いた。シーズン途中にボーが攻撃コーディネーターを引き継いだとき、時間はかかったけど事態は好転し始めたからね。もちろん、(ロサンゼルス)チャージャーズ戦では良い結果を収めたし、シーズンも良い形で終えた」と話している。

チャージャーズ戦で63得点を挙げるといった成果を残したにもかかわらず、ハーディグリーがチームを去ったのは、誰がプレーをコールしてもレイダースが攻撃面で苦戦を強いられていたからだろう。

ともあれ、オコンネルが2023年シーズンに成し遂げたことはピアースに大きな影響を与えており、ピアースは25歳のオコンネルにも先発の座を獲得するための公正な機会が与えられると主張している。また、偏見があることを認めた一方で、オコンネルがシルバー&ブラックを率いるのに必要なポテンシャルと目には見えない資質を持ち合わせていると考えているホイヤーにも、大きな影響を与えたようだ。

ホイヤーは「偏見かもしれないけど、エイダンが去年にやったことはすごいし、ガードナー・ミンシューがキャリアを通じてやってきたことには及ばないのは分かっているけど、エイダンが仕事を引き継いで、若手選手としてリーダーシップを発揮する姿にみんながひきつけられていたのは知っている」と話している。

ピアース率いるレイダースがオコンネルを先発とする方向に進むかどうかは、夏の終わりにミンシューとの対決を経て決められるだろう。

【RA】

© NFLJapan.com