「macOS Sequoia」ベータ版がHDMIパススルー対応。Dolby Atmosをそのままサウンドバーなどへ伝送可能に

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次期「macOS Sequoia」につき開発者向けベータ版の配布が始まっているが、複数のアップル純正アプリにHDMIパススルー機能が追加され、AVレシーバーやサウンドバーにそのままDolby Atmos信号を送れるようになった。

米MacRumorsによれば、具体的にはApple TV、Music、QuickTime Playerアプリなどが対応したとのこと。アップルの説明では、このオプションを有効にすることで「対応デバイスに接続している場合、HDMIパススルーを使ってDolby Atmosやその他のDolby Audioフォーマット対応のオーディオを再生できる」としている。

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これまでMac上で再生された音源は、macOSの内部処理でチャンネルの配置が変更されていた。元々のデータにあったチャンネルが入れ替わってしまい、手動で設定しなおす必要がある場合もあった。

今回のアップデートは、「Mac側でお節介な処理をせずに、そのまま外部機器に信号を渡せる」ということだ。HDMIパススルー機能をオンにすれば、HDMIケーブルで接続した外部機器側でクリエイターが意図した通りの没入感あふれるDolby Atmosオーディオをデコード/再生し、ビデオ信号はテレビに送ることができる。

この機能が最も望まれているのは、当然ながら外付けテレビやサウンドバーありきで使われることが多い「Apple TV」(ハードウェア製品の方)であり、tvOS 18だろう。アップルが単一アプリではなくmacOS Sequoiaの広い範囲でHDMIパススルーを採用したということは、いずれ他の製品にも展開する可能性は十分考えられる。

もっとも、逆にいえば現時点では開発者向けベータ版の機能に過ぎず、正式版では搭載されないこともありうる。macOS SequoiaとtvOS 18ともに、一般ユーザーも登録すれば利用できるパブリックベータは今月末、正式リリースは今秋に予定されており、今後のアップデートの行方を見守りたいところだ。

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